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医療費控除の注意点:控除額が戻ってくるわけではない!!
上記で求められた医療費控除の対象金額が還付申告で「戻ってくる」訳ではありませんので注意して下さい。
所得税が課税される課税対象額が仮に300万円のケースでは上記の例題3.に該当しますので医療費控除をおこなうことで300万円から5万円を差し引いた295万円に対して所得税がかかります。
そのため、このケースでは戻ってくる所得税は5千円となります。
医療費控除の注意点:控除できないケース?制限されるケース?
例え5千円といえども税金が戻ってくるのは嬉しいものですが、1年間に医療機関などへ支払った領収証を揃えた上で、その医療費の一覧表を別添で作成し、確定申告の書類を記入するのは手間と時間がかかります。
やっとの思いで医療費控除の書類を作成し、還付申告をおこなっても、そもそも所得税が徴収されていない方は、徒労に終わってしまいます。
年金額が少額に止まる年金生活者やマイホームを購入して住宅借入金等特別控除(いわゆる住宅ローン減税)の適用などにより所得税を払っていない方は要注意です。
また、多少なりとも「所得税を支払っている」としても支払った所得税が限度額となり、それ以上の金額は戻ってきません。
サラリーマンの方は、事前に源泉徴収票などをチェックした上で作業に取り掛かりましょう。
とは言え、医療費控除の要件に満たしており、所得税の還付を受けられる方は、手間と時間はかかるにせよ医療費控除をすることで税金が取り戻せます。
国税庁のWEBページでは、パソコンを用いて比較的簡単に医療費控除の提出書類とともに確定申告の書類が作成できる「「確定申告書等作成コーナー(※3)」を開設していますので、利用してみてはいかがでしょう。
<執筆者プロフィール>
石村衛(いしむら・まもる)
FP事務所:ライフパートナーオフィス代表ファイナンシャルプランニング1級技能士(CFP)東洋大学卒業。メーカー勤務の後、FP事務所:ライフパートナーオフィスを横浜市戸塚区に開設。地域に根ざしたFP活動を志向し、住宅ローン、不動産・証券投資、保険、貯蓄・など一般家庭のお金にまつわる様々なアドバイスを行っている。 お金に係わる出前授業を小・中・高校で実施。また、高等学校の保護者会などで進学費用や奨学金・教育ローンの講演多数。東京都金融広報委員会 金融広報アドバイザーとして活動中。
※ 1国税庁:平成27年分確定申告特集より
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tokushu/hajimete.htm
※ 2国税庁:タックスアンサー(3.寄付金控除の控除額の計算方法欄参照)
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1150.htm#aa1
※ 3国税庁:確定申告書等作成コーナー
https://www.keisan.nta.go.jp/h27/ta_top.htm#bsctrl
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