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小頭症とは?
通常人間の出生時の脳の大きさは、350g~400g位で、2歳位までに容積は3倍となり、頭も大きくなります。
頭蓋の骨と骨とのつなぎ合わさった部分を縫合といいますが、それが、胎児のうちに早期に癒合がおきてしまったり、欠損ができてしまうことで、頭蓋が変形してしまいます。
胎児の時、または出生時に脳と頭蓋骨が異常に小さく、結果として脳や脳神経に様々な程度の損傷や傷害がでるものを小頭症といいます。
小頭症の原因
胎児の発育中に有害物質にさらされることで引き起こされるものです。
ジカウイルス以外の原因としては、遺伝的な問題や風疹、水疱瘡、感染症、違法薬物やアルコールによる有害物質、フェニルケトン尿症との関連、などが挙げられます。
症状
胎児として生存できず、死産してしまいます。
たとえ産まれたとしても、小頭症で脳が未発達であれば、体が機能できない状態なので、ほとんどの場合早期に死亡します。
まれに生きた場合は、頭の外観が大変小さい、泣き声が甲高い、発達の遅れ、精神遅滞、発作、食欲不振などがあり、何らかの傷害があります。
小頭症の診断
妊娠中に診断するには、超音波などを使用し、出生前に診断することができます。
しかし、妊娠後期でもわからず、診断できないこともあります。
出生後では、X線、CTスキャン、MRI、血液検査、尿検査などにより、確定します。
治療法
治療法は、頭蓋骨を切断して、頭蓋内腔の容量が拡大できるように変形させ矯正します。
顔面形成や眼球突出などもすべて手術を行って矯正します。
手術以外の方法はありません。
ジカ熱と小頭症の関連があるのかどうか、研究が進んでいますが、妊娠中にジカ熱に感染しても産まれた子どもが小頭症を発症しなかった事例なども検証されているそうです。
一方、厚生労働省では、ジカ熱をデング熱やマラリアと同じ「4類感染症」に指定して、届け出を義務付ける感染症に指定しています。
特に妊婦さんは、当分の間ブラジルなど中南米へは渡らないほうが賢明でしょう。
執筆者:南部洋子(助産師)
監修医:坂本 忍(産婦人科)
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