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どうして居場所ができないか? その二つの理由
適応障害を来す理由は大きくは二つあるでしょう。
一つは、新しい環境や人間関係になじめないこと。
過去との折り合いがつけられていない為です。ホームシックはその好例。
せっかく切望していた独り立ちができたのに、家族のぬくもりやお母さんの味が恋しくなってしまうのです。
過去に囚われていると新しい境遇や人間関係がうまく回っていきません。
もう一つは、未来との折り合いがつかない、思い描いていたのとは違った現実が起きてくる事態です。
仕事も生活も、「こんなはずじゃなかった」ということが毎日起こってきて、それに翻弄されているうちに、目標や自分自身を見失ってしまう、という具合です。
3つの備えで、ことに臨む!
ストレスへの対処を「ストレス・コーピング」と呼びますが、この立場から3つの備えが有効でしょう。
■規則正しい生活習慣:きちんと寝て、3食食べて、いい汗を流す、オンとオフを峻別するなど、自分の生活ペースを確立して、来る嵐を乗り切ります。
■何がストレスかを考える:嫌なことや思いつくストレスとその解決法を挙げる、すぐに解決できないなら迂回する、解決法が実施できない理由の発見などが具体策です。
■独りで悩まない:人に相談することで、独りで煮詰まっているだけでは見えてこない「出口」が開けてきたりします。
相談相手はすでに、今のあなたの悩みの「経験者」かもしれません。
適応障害は、多くは一過性のストレス反応です。
そのうち自然に症状が消えることもあります。
新生活が始まったからと焦らず、じっくり取り組んでいければ、「なんであんなことに悩んでいたのだろう?」と後で思えるほど、充実した生活が開けるかもしれません。
<執筆者プロフィール>
山本恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長
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