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パニック障害:パニック発作に生活が振り回される状態
パニック発作が一度起きると、また起こるのではと「予期不安」に苛まれたり、実際に、パニック発作が繰り返し起こったりします。
そして、少なくとも1回の発作後、1か月以上「予期不安」「発作の結果への不安」「発作を起こしそうな状況を回避する」の一つが続いている場合、「パニック障害」と診断されます。
パニック発作がパニック障害に発展していって、パニック発作とその予期不安に心や生活が振り回される状態になってしまいます。
また、慢性化すると「広場恐怖症」に重症化する場合もあります。
パニック障害や不安障害の治療
近年になって、この障害に脳の機能や神経伝達物質の作用が影響しているということが明らかになっています。
特に大脳辺縁系にあって情動の中枢を司る扁桃体(へんとうたい)の過剰興奮が、こわがり(不安)の病態反応に関与していること、また、神経伝達物質のドパミン・セロトニン・GABAも、不安・抗不安に関わっているなどが解明されています。
そこで治療法としては、抗うつ剤でもあるSSRIやベンゾジアゼピン系抗不安薬などを用いた薬物療法と精神療法が効果的とされています。
かつては「不安神経症」と呼ばれたパニック障害。
冒頭の円さんの経験は、極端な恐がりの印象をもたれるかもしれません。
パニック障害も含めた不安障害は、別名「怖がりとこだわりの病態」とも言われます。
でも、曖昧さが許されず、一瞬先に何が起こってもおかしくない高ストレスな現代社会では、誰もが襲われうる症状なのかもしれません。
<参考>
『今日の精神疾患治療指針』医学書院
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160208-00000536-san-hlth
執筆者:山本 恵一
監修医:坂本 忍
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