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では、「おまじない」は?
「お祈り」をするマドンナは、神秘主義に凝っているという噂もあります。医療にも古来、プラシーボといって、直接効くわけではない成分が症状を抑えるという作用が知られています。
これは言いかえると「おまじない」で、呪術の世界では昔からさまざまな役割を果たしてきました。ストレス解消として重圧をはねのけるのも、その一つでした。ただし、科学技術の発達した現代社会では、ともすると胡散臭く思われてしまうこともあります。
でも法律や健康、あるいは人間関係に実害がなければ、これも一つの方法でしょう。
メンタルトレーニング
五郎丸選手のルーティーンは「おまじない」ではありません。一定のルーティーンを行うことによって、重圧の中で「平常心」を取り戻していく作法のようです。このように、プレッシャー克服のためのメンタルトレーニングには、ヨガや禅の修行のような「宗教」的プラクティスに礎をもつものもあれば、科学的な根拠に基づく方法もあるでしょう。
「備えあれば、憂いなし」で、ふだんからメンタルトレーニングを行うことによって、各自の方法が確立されていくのです。
特殊な重圧下で最大の能力を発揮することを期待されるアーティストやアスリートほどではないにせよ、私たちの生活にも、カラオケやプレゼンテーション、あるいはテストや面接など、緊張を強いられ、プレッシャーにうち勝つ必要のある瞬間があります。五郎丸選手の仕草を真似る人も多いようですが、自分なりの克服法を準備しておいて、いざという時に効くように習慣づけておくと良いでしょう。
<執筆者プロフィール>
山本恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長
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