(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
その2:「妻を助けている」と夫が思うほど、妻はそうでもない現実
夫が妻のために何かしていると思っていることと、妻がしてもらっていると感じることは、実際に統計学的に無相関、つまり関係がありませんでした。むしろ、部分的には夫がやっていると思うほど、妻はやってもらっていないと感じてしまうというデータも。
実際、ご主人への不満が強い奥様のご主人をカウンセリングすると、
「妻が望んでいそうなことはだいたいやっていますねえ」
とおっしゃるケースが多いのです。
このギャップは、多くの場合でご主人の「オレ様」意識から生まれている印象があります。
「オレ様がこんなことまでやってあげてるんだから、素晴らしいだろう」という意識がどこかにあるため、ちょっとした妻への援助を、つい過剰評価してしまうのです。
「やってあげてる」とご主人が思うほど、奥さん(母親)はやってもらってないと思う傾向があります。
その3:「妻には高価な物を贈れば喜ぶ」という誤解
一連の調査で、夫が妻を助けていると思う行動の一つに「(感謝を込めて)贈り物をする」 が浮上しました。しかし、母親が「助けてもらっている」と思う行為には贈り物は出てきませんでした。
一日の大半を赤ちゃんのために捧げて自分自身を生きている実感も保てない母親には、高価なプレゼントはあまり意味が無いようです。
妻への最高のプレゼントは、ご主人が時間と気持ちをかけること…。
自分が自分という一人の人格として、一人の女性として存在していることを確認できることが何よりのプレゼントです。
忙しいご主人はついプレゼントで気持ちを表そうとしてしまいますね…。ご主人に言わせると、「楽」なんだそうです。
時間や気持ちをかけることが「苦」なのではなくて、何を持って気持ちを表現したらいいかわからない…それを探すのが大変だからというケースもあります。
時間とお気持ちをかけて、奥様(母親)に向き合ってあげてください。お話をニコニコしながら、喜んで聴いてあげてください。10分でも、20分でも、きっと奥様は喜ぶと思います。
<執筆者プロフィール>
杉山 崇(すぎやま・たかし)
神奈川大学人間科学部/大学院人間科学研究科教授。教育支援センター副所長、心理相談センター所長(15年4月から)臨床心理士、公益社団法人日本心理学会代議員、キャリアコンサルティング技能士。
スポンサーリンク