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執筆者:山本 恵一(メンタルヘルスライター)
監修医:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ)
ここ最近、ネパールでの小型機墜落事故、新千歳空港で起きた日航機のエンジントラブル、ロンドンのヒースロー空港でヴァージンアトランティック航空パイロットがレーザー照射された事件など、飛行機の事故やトラブルのニュースが目を引きます。
よく引き合いに出される数字ですが、アメリカ国家運輸安全委員会(NTSB)によると、航空機事故で死亡する確率は0.0009%。自動車などと比べて飛行機がいかに安全かを象徴する数字として示されます。確かに確率的にはその通りなのでしょうが、「でも、飛行機は怖い」という感覚も、誰にも多少はある心理なのかも知れません。
飛行機恐怖症の原因はなに?
精神医学では、不安障害の一つとして、限局性恐怖症という病気があります。これは、いわゆる「~恐怖症」と呼ばれるもので、高所恐怖、閉所恐怖などいろいろとあります。
他の人にとっては何でもないことが、その人にとってはすごく怖いのが恐怖症の心理です。そして、恐怖症の患者さんは、特定の対象や状況に対して理由なく激しい恐怖を抱き、気分が悪くなる、吐き気やめまいに襲われる、失神してしまうなどの症状に悩んでいます。
現在のところ、限局性恐怖症は次の5つのタイプに分類されています。
動物型
犬・猫・蛇・ネズミなどの小動物や、クモなどの昆虫を恐れる
自然環境型
高所、嵐・雷・水など自然のものを必要以上に恐れる
血液・注射・外傷型
注射や血を見ることを怖がったり、ケガを恐れたりする
状況型
公共の輸送機関(飛行機や電車)、橋の上など高所、エレベーターのような閉所など、特定の状況がきっかけで恐怖が生じている
その他の型
窒息・嘔吐・病気に罹ることを恐れる、大きい音など
飛行機恐怖症は、この中で「状況型」に属する、もっとも顕著な限局性恐怖症の一つと言えます。
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