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飛行機恐怖症は複合型の恐怖症
飛行機恐怖症の場合、墜落への恐怖、閉所への恐怖、高所恐怖、死ぬ恐怖、パニック状態への不安(予期不安)、状況をコントロールできない無力感、テロへの不安など、恐怖症の中でもいろいろな要素が混じった、複合型ともいえる恐怖症と言えるでしょう。
治し方はあるの?
恐怖症の多くは、回避したり耐えたりしているとみなされていますが、それが無理なら、治療によって症状を押さえながら、克服していくことを目指します。
一度発作を起こしたことで、似た状況になったとき再び発作に襲われるのではないか、と不安が募ることを「予期不安」と呼びますが、恐怖症の人は予期不安から対象を回避し、一生懸命がまんをして耐えている場合が多いと言われます。
生活に重大な支障がなければそれでしのげても、そうはいかない場合もあります。
たとえば、飛行機恐怖症の人が海外に行かなければならないなどです。タレントやスポーツ選手でこうした機会が多くて、自分が飛行機恐怖症であることをカミングアウトした人も少なからずいるようです。でも、そうした機会が治療へとつながることも多く、抑うつや不安が顕著であれば薬物療法を受けながら、病気への理解を深めたり、精神療法が実施されたりしています。
恐怖症の治療として、患者さんに十分な治療意欲が認められれば、軽いものから段階的に恐怖対象にあえて直面して、これを克服していく「暴露療法」もあります。
もちろん、予期不安を軽減する「リラクゼーション」は効果的です。
<執筆者プロフィール>
山本恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長
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