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女性に起こりやすい貧血の種類とは?
血液は、身体中に酸素や栄養を運ぶ大切な働きをしています。身体は、酸素や栄養によって活動できています。
特に、血液中に含まれるヘモグロビン(Hb)の量が少なくなると、全身のあらゆる組織に十分な酸素がいきわたりません。そのために、全身性の様々な症状が起こってしまいます。
それではなぜ、赤血球(ヘモグロビン)の量が少なくなるのでしょうか?
鉄欠乏性貧血
貧血の7割を占めると言われる鉄欠乏性貧血は、鉄不足により血液の主成分である赤血球を充分に生産出来ない為起こります。
元々、女性は、毎月の生理で出血し、定期的に血液を失いますので貧血になりやすいのですが、さらに、栄養が偏った無理なダイエットや、食生活の乱れなどが続くことでも鉄欠乏性貧血を招きやすくなります。
というのも、鉄分が身体に吸収されるためには、鉄だけでなく、タンパク質やビタミン、葉酸などの栄養素が必要なため、栄養不良により鉄分が上手く吸収できないと身体に必要な赤血球が作れなくなってしまうのです。
※鉄欠乏性貧血について詳しい以下の動画も参考にして頂ければ幸いです。
過多月経
過多月経とは、その名の通り、月経時の経血量が通常より多い症状を指し、貧血の原因になります。
具体的には、経血量が150ml以上ある人は過多月経の疑いがあります。これは生理用ナプキンが1時間もたなかったり、ドロっとしたレバー状の経血が2日以上続いたりする量に相当します。
過多月経の人や、生理の期間が8日間以上続く過長月経の人は、経血量が多いため貧血状態になりやすい傾向があります。
過多月経には、下記で述べる子宮筋腫、子宮内膜炎などの疾患が原因である器質性過多月経と、身体の機能の異変によって起こる機能性過多月経に分けられます。
機能性の場合、多くは精神的なストレスや生活リズムの乱れからホルモンのバランスが悪くなってしまっていることが原因として考えられます。
子宮筋腫
子宮筋腫とは、子宮にできた良性腫瘍のことを言いますが、子宮筋層内部、あるいは粘膜下に筋腫核があると、生理痛・過多月経などを引き起こし、結果として貧血の原因となります。
大きくなった筋腫が子宮やほかの臓器に負担をかけることがあり、生理中ではないのに出血してしまう女性もいます。
子宮腺筋症
子宮腺筋症とは、子宮内膜組織が子宮筋層の内部に増殖し、徐々に子宮の筋層が分厚くなる疾患ですが、握りこぶし大より大きくなることはありません。
生理の持続日数が長引く、経血が多い、月経痛が酷い、といった症状が現れ、貧血の原因になることもあります。
子宮内膜増殖症
子宮内膜増殖症とは、子宮内膜が、普通の状態よりも分厚く増殖してしまう疾患で、貧血の原因となることがあります。
卵胞ホルモンの影響を受けすぎてしまうことで、子宮内膜増殖症を引き起こします。
半数以上が自然に治るため治療をせず経過観察をしますが、なかには子宮体がんに発展するリスクのある「異型子宮内膜増殖症」の場合もあります。その場合には、治療が必要になります。
貧血 への対処法とは?
特に女性は、時間をかけて貧血になるので、貧血であることを自覚しにくい傾向が強いので、体調に不調や不安がある場合は、貧血である可能性を考え、まずは受診する事が重要です。
また、自分が貧血状態になっていないか確認をする事も正しく貧血に対処する為には重要です。あなたは、以下のどんなシーンで貧血気味だと感じますか?
朝ごはんは抜いている
顔色が悪い
コンビニのお弁当やファストフードを頻繁に食べる
身体が疲れやすい
無理なダイエットをしている
爪の色が白っぽい
爪が薄い・欠けやすい・割れやすい
朝起きることが異様に辛い
駅の階段を上るだけで息切れがする
睡眠時間が短い
上記の項目が多く当てはまる人ほど、重度な貧血の傾向があります。また、貧血気味の人は貧血検査を受けてみるといいでしょう。
貧血検査では、ヘモグロビン・ヘマトクリットの値を調べます。そうすることで自身の貧血の種類や性質などを判断することができるのです。一般にヘモグロビンの基準値は男女別で次のようになります。
男性・・・・・13.0~16.6g/dl
女性・・・・・11.4~14.6g/dl
男性の場合は1dのうち13g以下、女性は11g以下の数値で鉄欠乏性貧血と診断されます。貧血検査の数値が少ないほど重度の貧血であると言えるでしょう。それでは、これら数値を改善するため対策法について説明しましょう。
薬(鉄剤)
貧血の治療薬として使われることが多いのが、鉄剤を使用して鉄分を補給するというものです。
薬を処方する前には、医師からは食事療法で鉄分をとるように指導されるでしょう。鉄分以外にも、ビタミンやタンパク質などバランスのいい栄養をとるように心がけます。
食生活を改善しても貧血の症状がよくなっていない場合は、鉄剤を処方されます。だいたい2か月ほど飲み続けることで症状が改善していきます。また、鉄分のほかにも赤血球の生成を助けるビタミンB12や葉酸が含まれている鉄剤も多いです。
最近では、鉄剤が賦形剤でコーティングされているため、胃への負担も抑えられているものが多い傾向があります。
とはいえ、鉄剤は胃や腸の粘膜には影響が強く、体質や身体の状態によっては副作用が出ることもあります。吐き気や下痢に悩まされたら医師に相談しましょう。
注射
内服薬だけでなく、注射で鉄分を補うケースもあります。これは、理想的なヘモグロビンの濃度と現在のヘモグロビンの濃度の差から必要な鉄分を計算し、少しずつ注入していくというものです。
とはいえ、鉄剤がメジャーな治療法であり、注射は内服が難しい場合や急を要する場合に使用されることが多いようです。
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