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執筆者:杉山 崇(心理学者)
スポーツをある程度本格的に取り組んだ経験のある方なら、「周りの人間や景色がまるでスローモーションのようにゆっくり動いて見える」、そして驚くようなハイパフォーマンスを発揮した瞬間を経験したことがあることでしょう。
このような極限の集中状態を『ゾーン』と言います。
一流とよばれるスポーツ選手は、意識的にこのゾーンに入る方法を身に着けていると言われています。つまり、極限の集中状態を自分でコントロールして操ることができるのです。
私たちが今から一流スポーツ選手になることはできません。しかし、ゾーンに入ることは誰もが持っている能力です。この能力を磨けば仕事でも、家事でも、趣味でも今までとは全く違う、ハイレベルなパフォーマンスを発揮することができるのです。そして、これは意外と簡単です。
では、誰でもゾーンに入れる2つのポイントをご紹介しましょう。
ポイント1 「迷いがない」状態を作る
迷いはゾーンの大敵です。ゾーンに入った状態の脳はα派とよばれる脳波に満ちています。人の脳は本来非常に敏感で過活動です。ちょっとでも余計な刺激があると、α派はすぐに崩れてしまいます。
特に迷いがあると迷いそのものが不安や不満を招くので、α波を簡単に崩してしまいます。さらに「どうしてこんなことをやってるんだろう?」とか、「なんでこうなるの?」と余計なことをいろいろと考えて脳の集中をかき乱します。
いずれにしても仕事に対して迷いのない態度を持つことがオフィスでのゾーンへの第一歩です。
「迷いがない」が難しい時は…
しかし、私たちも人間です。時に迷うこともありますよね。そんな時はあえて仕事を離れて、もしこの仕事がなかったら自分はどうなりそうか考えてみてください。仕事を通して私たちは実はいろいろなものを得ているので、万一なくなったとしたら失うものも多いはずです。そして、自分にできそうにないことと、確実にできそうなことを区別してみてください。
この手続きを踏めば、よほど相性の悪い仕事でない限り迷いは激減することでしょう。
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