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マンションが乗っ取られる?
こうした民泊の提供者と利用者を橋渡ししているのが、米国のエアビーアンドビー社に代表されるネット事業者です。部屋の提供も申し込みもすべてがオンラインで完結するため、周辺住民が知らないうちにマンションの一角が民泊に利用されているケースもあります。
民泊の広がりにより、「何か最近外国人の出入りが多いな……」と思っていたら、ある日突然トラブルに巻き込まれるというケースが起こり得るのです。
民泊利用者のマナーの悪さにうんざりした日本人入居者が次々とマンションを退去し、空いた部屋がさらに民泊用に転用されるという、まるで「乗っ取り」と言えるようなケースも出てきているそうです。
「おいしい」ビジネス
民泊が急速に広まっている大きな理由のひとつに、ビジネスとしての「うまみ」があります。家賃6~7万円の部屋でも、民泊に提供すれば月に数十万円儲かるとも言われており、先述のエアビーアンドビー社のサイトでも、日本だけですでに1万数千件の物件が登録されています。
特に東京や大阪、京都などの都市部は深刻なホテル不足に陥っているため、新たなビジネスチャンスとしても注目されているのです。お金持ちの中国人が分譲マンションを何室も購入し、日本への渡航者向けに民泊を営業しているという話も聞こえてきます。こうなると、もはや民泊とは呼べないレベルです。
一方で法的には、「旅館業法に抵触しかねない」「賃貸物件の場合、大半で禁止されている又貸しにあたる」といった問題があるほか、「不法滞在者が逃げこむ可能性」「違法な営業活動の拠点となる恐れ」なども否定できません。このため、不動産業者からは「民泊の現場はすでに無法地帯」「資産価値に影響する死活問題」といった悲鳴に近い声も上がっています。
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