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怒りでは伝わらない気持ち
その乱暴な投球は、「わかってほしい」という貞子さんの気持ちの現れだったのかもしれません。
夫も基本的には「わかってあげたい」という気持ちで受けとめてくれていたことでしょう。
しかし、いつも剛速球を受けとめられるとは限りません。
時に貞子さんは、相手がミットを構えられないタイミングをわざと狙って球を投げ込むという嫌がらせをしたこともありました。
ここまでくると、「私が苦しんでいる、だからあなたも苦しめ」という八つ当たりでしかありません。
感情の調整には練習が必要
感情の調整が極端に下手な人は、自分はもちろん家族も疲れさせます。
かといって、「家族間では感情の球を投げない」とすると会話が成立しません。
また、感情の球の投げ方の練習もできないし、それをキャッチするための心の筋肉もつきません。
夏目漱石の『草枕』の有名な書き出し、
「智に働けば角が立つ。 情に棹させば流される。 意地を通せば窮屈だ。 兎角にこの世は住みにくい」
が思い起こされるところです。
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