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怒りの矛先を失うことでできた隙間
怒りが厄介なのは、本当は「わかってほしい」と思っている家族に向けられやすいことです。
まるで、家族にチキンレースを強要しているかのように、大切なはずの家族を攻撃してしまうのです。
貞子さんは、家族と別れ、怒りの向けどころを失ったことで、心に「隙間」ができたと言います。
結果として、怒りで埋め尽くされた自分から少し離れることになり、その時から怒りに突き動かされる行動への対処能力が向上していきました。
後に、その隙間は別の感情に満たされていくことになります。
貞子さんは、そのために必要な隙間だったと考えるようになりました。
(この事例は複数の実例を基に構成しています。また、プライバシー保護のため一部を脚色しています)
執筆者プロフィール:
玉井 仁(たまい・ひとし) 東京メンタルヘルス・カウンセリングセンター カウンセリング部長。臨床心理士、精神保健福祉士、上級プロフェッショナル心理カウンセラー。著書に『著書:わかりやすい認知療法』(翻訳)など
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