(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
顕在化しにくいサルコペニア肥満の実態
サルコペニア肥満は「身体の筋肉が減って、脂肪が増えている状態」です。一般に筋肉(骨格筋)の量は20〜30歳代でピークを迎え、その後は徐々に減少し、80歳代ではピーク時の約55~60%まで減少します。
とくにダイエットで食事制限を行った場合、仮に3kg体重が減ったとしても、脂肪のみが3kg減るわけではありません。実際には筋肉が半分以上減少しているのです。偏ったダイエットを続け、筋肉量が少ない状態で歳を重ねていくと、サルコペニアやサルコペニア肥満となる危険性が高まるといわれます。
40歳以上の4人に1人がサルコペニア肥満や予備軍になっているとする説もあるため、誰もがなり得るという認識が必要です。将来的に、筋力の低下から運動量が減り、骨粗鬆症が発生した状態にサルコペニア肥満が加わると、「変形性膝関節症」といった病気になる懸念があります。
変形性膝関節症になると膝が痛むため、歩くことが少なくなります。そうしてさらに筋力が低下し、肥満も悪化するという悪循環に陥ります。これが高齢者の寝たきりや要介護状態の原因にもつながっているのです。
サルコペニア肥満の目安
では、どのような場合をサルコペニア肥満と診断されるのでしょうか?
サルコペニアは、筋肉量の低下、筋力の低下、身体能力の低下が診断に関係します。しかし、その基準は国によって異なり、あいまいな部分もあるため、明確な値を示すのは難しいのが現状です。
目安としては、次の両方の条件を満たす場合は、サルコペニア肥満の可能性が高いといえるでしょう。
筋肉の減少=「サルコペニア」の判定条件
・筋肉の割合(筋肉量/体重) 男性:27.3%未満、女性:22.0%未満
脂肪の増加=「肥満」の判定条件
・BMI(体格指数)が25以上
スポンサーリンク