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夏バテを起こす生活と対策
原因の3つを紹介しましたが、そのような状態になるまでにはさまざまな日々の注意すべき生活態度があります。
冷え
「暑さのせいなのに冷え?」と思うかもしれませんが、エアコンによる身体の冷えや冷たい食べ物・飲み物による内臓の冷えなど、暑いからこそ身体を冷やす環境に陥りやすくなるのです。
そうすると、室内や体内と、外の気温の温度差が大きくなって体温調節機能がうまく働かず、自律神経が乱れたり、消化機能が低下し、食欲不振から栄養不足に陥ってしまいます。
エアコンのきいた場所では、上着や靴下など衣服で温度調節をしたり、温かい食べ物や飲み物を摂って冷え過ぎを予防しましょう。また、冷たい食べ物や飲み物の摂り過ぎには注意し、食べやすい麺類などは具だくさんなものを選び、栄養バランスを整えましょう。
睡眠時間の乱れ
気温・湿度が高く寝苦しい時期の夏は、途中で起きる、睡眠が浅くなるなど、睡眠の質が低下したり、睡眠時間が短くなりがちです。そうすると、体内リズムが乱れ、自律神経の乱れにつながります。
暑過ぎては寝付けませんし、寒過ぎても不調のもとになります。睡眠をとるのに、25~29℃が快適な温度と言われています。エアコンのタイマーを活用し、眠りに着きやすい環境を整えましょう。
また、寝具や寝間着は、通気性、吸湿性がよく、皮膚に張り付かない素材で、首元や袖が開放的なものを選ぶようにしましょう。
疲労が蓄積している
エネルギー不足や睡眠不足、紫外線の影響など、疲労が溜まりやすいため、1日の疲れはきちんと取っておかないと蓄積する一方です。
寝ている間に疲労を回復する働きが活発になるため、睡眠時間をきちんと取ることが大切です。また、疲労回復に働く栄養素を積極的に摂ることもおすすめです。
最近、疲労回復の栄養素として「イミダゾールジペプチド」が注目を集めています。疲労回復に働く栄養素はいくつかありますが、その中でも最も効果が高いと言われています。骨格筋中から発見されたアミノ酸の総称で、その中でも「バレニン」はクジラ、「カルノシン」「アンセリン」は鳥類やマグロ、カツオなどの大型回遊魚に多く含まれています。
疲労は、細胞を壊す活性酸素が過剰になることで引き起こされると言われ、イミダゾールジペプチドには、活性酸素を抑える働きがあり、その疲労回復効果はヒトによる研究で明らかにされています。食品では、クジラ肉、マグロ、カツオ、鶏胸肉などに含まれています。
とくに疲れを強く感じる場合には、サプリメントで補うのもいいでしょう。
運動不足
暑さで運動が億劫になる夏。運動不足が夏バテを起こしやすくすることがあります。とくに関係が深いのが、ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動。
有酸素運動は、全身の筋肉を使って、血行を良くし、全身を温めて汗を出しやすくします。汗をかくことは、体温調節機能のひとつ。運動不足により汗をかかないことに慣れてしまうと、体温調節機能が低下し、自律神経の乱れにつながります。
朝方や夕方の気温が下がる時間帯やジムなどを上手く活用し、運動不足を解消しましょう。
真夏でなくても夏バテは起こる!早い対策を。
スタミナ不足は、真夏にとくに起こりやすいと言えます。
しかし、冷え、睡眠不足、栄養不足、運動不足などは、日常でよくある生活習慣ではないでしょうか。気温が上がる夏手前の時期から、すでに夏バテの危険は身近なところにあるのです。
今のうちから、スタミナの回復ができる身体作りを心がけましょう。
<執筆者プロフィール>
山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士、サプリメントアドバイザー、食生活アドバイザー
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動
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