(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター)
監修:岡本 良平(医師)
大人の年齢に達し身体は立派な成人なのに、精神的に大人になれない…というよりは、大人になることを拒んでいる男性。こうしたパーソナリティを、1980年代初頭に米国心理学者ダン・カイリーは「ピーターパン症候群」と名づけました。
精神医学の正式用語ではありませんが、パーソナリティ障害に似たコンセプトと言えるでしょう。
「身体は大人、心は子ども」のピーターパン症候群とは?
表面的にはプライドが高く立派な大人のように見えても、内心、非常に傷つきやすく臆病な男性。
ピーターパン症候群には次のような特徴がみられます。
・12~50歳の男性
・「無責任」「不安」「孤独感」「性役割における葛藤」の基本症状を抱えている
・人生において漠然とした不平不満を持っているが、自分はノーマルだと思っている
・成長した大人を演じようとし、第一印象はよく、深く知らない人には好感をもたれやすい
・結婚して父親になり安定した仕事は持っていても、人生は退屈だと絶望している
・45歳ころから憂うつや苛立ちの症状が強く表れ、それまでのライフスタイルに反抗する
・デートは年下や幼い印象の女性を好む。結婚後は家庭よりも友だちを優先する
・若いころは職を転々とし必要に迫られなければ働かない。立派なキャリアにあこがれるが努力を嫌う
・年長になると仕事人間が増える
・豊かな家庭で育った長男に多い。父親はデスクワーク、母親は専業主婦のケースが多い
・パーティ好きで、騒ぐのが好き
人当たりは悪くないけれど未成熟で、積極的に社会に適応していこうとはしないパーソナリティです。
その原因には、経済的な豊かさとこれに反比例する精神的な貧しさや、両親の不和といったことがあるようです。このことは、1980年代のいわゆる「バブル期」を象徴する文化でもありました。
スポンサーリンク