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唾液の働き
唾液は、耳下腺、顎下腺、舌下腺、の大唾液腺と小唾液腺から分泌されます。その量は、個人差もありますが、成人で1日1~1.5ℓ(安静時唾液で700-800ミリリットル程度)にもおよびます。
唾液の役割は、抗菌作用や自浄作用ですが、消化吸収を助ける、味覚を鋭くする、粘膜を保護する、など重要な役割を果たしています。また、緩衝液としてpHが急激に低下しないように働くことで、虫歯の予防も行っているのです。そのため、唾液の分泌量が減ると、虫歯や歯周病以外にも、口の中の細菌が肺に入って起こる誤嚥性肺炎、口腔カンジダ症なども起こりやすくなります。
「噛まないこと」が助長する?ドライマウスの原因とは
誰でも加齢に伴って唾液の分泌量は減りますが、ドライマウスは、加齢以外にもさまざまな原因が考えられ、複数の要因が重なっていることも少なくありません。
それは、糖尿病や腎不全など病気のあるもの、またストレスや更年期障害、などです。膠原病の1つであるシェーグレン症候群でもドライマウスの症状が現れます。
また、薬や治療の副作用としてもおこります。利尿薬の使用では、尿がたくさん出て、口の中が乾きやすくなります。そして、口呼吸をする癖のある人や、眠っている時にいびきをかく人は、唾液が蒸発して、口の中が乾きやすくなります。
つまり、ドライマウスは現代病として増え続けているのです。
現代ではファストフ―ドを食す機会が増え、柔らかい食べ物を好むようになり、咀嚼時間が短くなる傾向にあります。噛むという行為は、唾液の分泌を促し、唾液腺は、筋肉によって裏打ちされていますので、その筋肉が衰えて、唾液の分泌量がますます低下するのです。
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