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腋窩多汗症(えきかたかんしょう)という場合も
腋窩多汗症である局所多汗症には、外傷や腫瘍などの神経障害が原因となる続発性のものと、原因不明の原発性のものがあります。
原発性多汗症について、海外では「遺伝によるものが疑われる」との報告があり、日本でも重症の多汗症患者の出ている家系には原因となる遺伝子が関係しているのではないか、と示唆されています。
また、原発性の多くは思春期までに発病し、日常生活に支障をきたすほどの発汗がみられ、夜間(睡眠中)は発汗がみられないという特徴があります。
腋窩多汗症の治療
治療には、市販の制汗剤の主成分でもある「塩化アルミニウム」の外用薬が用いられています。また、ボトックス注射と呼ばれる「A 型ボツリヌス毒素」の注射が行われています。
これは、汗の分泌を促す神経伝達物質の働きを阻害し、神経伝達を遮断することで発汗を防ぐ治療法です。海外ではワキ汗に対しての効果は有効との報告があり、日本でも近年、重症の原発性腋窩多汗症では保険適用になっています。
「汗やワキ汗が多いことは恥ずかしいこと」と考えてしまうこともありますが、男女関わらず多汗症による汗やワキ汗を過剰に気にしてしまい、対人関係や社会生活に支障をきたすこともあります。
もしも「日常生活でも汗が気になって仕方ない」と悩んでいるようでしたら、一度受診をして医師に相談することをおすすめします。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
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