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不安に慣れていくためには:その1
例えば、子どもの学校の参観日に参加するなどを避けたいと思う原因は、多くの場合、人前に出るときの不安感にあります。そして、このような不安への効果的な対応は大きく分けて2つあります。
1つは、不安を避けず、それに慣れてゆくこと。
もう1つは、不安になるような考え方に気づき、それをより事実に基づいた考え方に変えてゆくことです。
不安に慣れていくためには、いくつか方法があります。
不安になる状況を、不安感の低いものから次第に高いものへと10~15シーンほど書き出し、リストにします。これを「不安階層表」と呼びます。
そして、リラックスした状態で(通常、リラックスするために腹式呼吸や漸進的筋弛緩法などのリラクセーショントレーニングなどを行います)、不安感の最も低いものを最初に選び、そのシーンを心の中で7秒間イメージします。
イメージしている間に不安にならなければ、次に不安感の強いシーンのイメージへと移っていきます。
不安になったら、同じシーンをもう一度繰り返しイメージします。
これを、1日1回、3〜4シーン(15〜20分ほど)毎日行い、最も不安の強いシーンが比較的楽に感じられるまで繰り返します。
この方法は、精神科医・ジョセフ・ウォルピ(Joseph Wolpe)により考案され、「系統的脱感作法(けいとうてきだっかんさほう)」と呼ばれます。
不安に慣れていくためには:その2
また、同じリストを使って、イメージではなく実際に行うことを、「現実的脱感作法」と呼びます。イメージで行う系統的脱感作法が不安階層表の半分ほどまで来た頃、最初のシーンからもう一度実際に行うタイミングで、現実的脱感作法を始めるのが良いと言われます。
イメージでその状況に慣れていれば、実際に行うときにはかなり楽にできるようになっています。
現実の場面で行うときは、気をつけることがあります。
1つは、感情のコントロール。
実際に行っているとき、不安感がかなり強くなってこれ以上は自分で感情がコントロールできなくなりそうだと感じたら、そうなる前にストップすることです。
そして、少し時間をおいてリラックスしてから、または次の日に、もう一度同じことをやってみます。こうしながら、最後の最も強い不安を感じる場面までを、実際に行います。毎日20〜30分、無理をしないで、何週間かかけて行います。
もう1つは、練習したいときに必ずしも現実の場面が存在しないときもあることです。
スーパーの人ごみや、電車に乗るなどはいつでも経験出来ますが、学校の参観日などはそうはいきません。ご近所や、マンションの集会など、よく似た場面を探して積極的に参加するというような工夫が必要になります。
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