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同調傾向がもたらす効果とは
同調傾向には相手の感情への理解を深めたり、相手と信頼関係を作る効果があることもわかっています。
そこで、相手との信頼関係が重要になるカウンセリングなど臨床の現場では、この同調傾向の効果を利用して、面接者との関係づくりのために、カウンセラーがあえて相手の動作や姿勢をまねすることもあります。これを「ミラーリング」といいます。
ですから「最近、夫(または妻)との関係がうまくいっていないな」というときには、この同調傾向を利用して、相手を真似してみるというのもひとつの方法かもしれません。
とはいっても、ただ単に相手の真似をしているだけで相手との関係が良くなるということではありません。先ほどお話したように、相手と協調的な会話をしながら、一緒に過ごす時間を作るように心がけましょう。
その上でミラーリングを行えば、同調傾向の効果を実感できることでしょう。
またミラーリングや同調傾向を行う場合にもう一つ気をつけたいのが、相手に依存し過ぎないことです。
相手との関係を良くしたいからと言って、自己犠牲を顧みなかったり、相手のやることなすことをすべて従う、まねるというのは、「共依存」という関係にあたり、健全な関係とはいえません。ミラーリングを行うとしても、あくまでもお互いが自律し、尊重しあえる関係が築けていることが大前提として必要といえるでしょう。
<執筆者プロフィール>
伊坂 八重(いさか・やえ)
メンタルヘルスライター。
株式会社 とらうべ 社員。精神障害者の相談援助を行うための国家資格・精神保健福祉士取得。社会調査士の資格も保有しており、統計調査に関する記事も執筆。
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