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PTSD:3つの主な症状
PTSDの症状の中でも、特に顕著に見られるのが下記の3つです。
フラッシュバック:侵入症状(上記基準B)
苦痛な体験が思い出されること。突然思い出したり、悪夢を見たりして、非常に苦しくなったり、自律神経失調の症状をきたしたりします。
回避とマヒ:(上記基準C、D)
苦痛な経験を思い出すことを避け、意識から記憶が切り離されます。これにより、慢性的な無力感、無感動・無関心、健忘が生じるほか、トラウマに関連する刺激を避けるといったことが起こります。
過覚醒:(上記基準E)
常に危険が続いているかのように張り詰めた状態になって、交感神経系が緊張し、些細な物音に反応したり、パニックに陥りやすくなります。不眠やいらだち、集中力の低下、過剰な警戒心、ちょっとしたことで驚くなどの状態になります。
PTSDの新たな視点「解離症状」
またDSM-5では、上記A〜Hの基準に加えて、次のいずれかの症状が持続的・反復的に現れるとしています。
離人感
自分や自分の身体が非現実的に感じられたり、自分を外部から傍観しているような感覚や、時間の進みがすごく遅い感覚にとらわれます。
現実喪失感
周囲の世界が非現実的に思え、夢のようで、ぼんやりしたり歪んだりしているように体験されます。
このように、意識・記憶・同一性・環境の知覚など通常は統合されている機能が分離されるのが「解離性障害」です。PTSDの人は、過酷な状況を体験した際に自己から感情を切り離して逃避することが原因で解離性障害を起こすと考えられています。
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