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ASDの診断
ASDの診断基準はPTSDとほぼ同じです。
ただし最新の『DSM-5』(精神疾患の分類と診断の手引き)では、ASDはPTSD診断基準である解離症状(現実感の消失や健忘)が認められなくてもASDの診断を下すことが可能としています。
トラウマの体験が繰り返し想起され、そのことに対する恐怖にさいなまれるような症状が体験から4週間以内であればASDと診断され、それ以上続けばPTSDと診断が変更されることになります。
以前はASDは将来のPTSD発症の前駆的な症状と見なされていましたが、中にはASDを発症しないでPTSDを発症する人もます。
このため、必ずしもASDがPTSDの予測因子というわけではないようです。
ASDの半数近くは自然回復する
ASDの3〜6割程度は自然回復すると考えられています。
また、PTSDに移行した場合も、トラウマを負ってから1年以内の期間で深刻な症状はなくなる可能性が比較的高いと考えられています。
従ってASDの治療は、症状がそれほど重篤でない場合は、睡眠や食事などのセルフケアに関する情報を伝えながら、注意深く経過観察をする方法が推奨されています。
一方、症状が重度の場合は薬物療法も用いられます。抗うつ剤の一種であるSSRIが有効とされており、これはPTSDと同様です。
また、特定の症状への対症療法として、睡眠薬、安定剤、鎮痛剤などが用いられます。
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