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患者・家族への説明のポイント
以上に述べてきたことの復習にもなりますが、ASDを患者さん本人や家族に説明する場合、次のようなことがポイントとして挙げられています。
1)トラウマを経験した後に精神状態が不安定になるのは珍しいことではないので、過剰に心配する必要はない
2)症状は、異常な事態を乗り越えるための反応と考えてよい
3)1年以内に自然軽快する可能性が比較的高い
4)一定期間が経過しても自然軽快しない場合でも、薬物療法などの治療法があるので、現在のつらい状態が永続するわけではない
災害後に起こりやすいASD
ASDは、地震などの大きな災害時に起こりやすいと言えます。一時的には大変つらい経験をしますが、時間が経つと癒えていく側面もあります。
とはいえ、何もせず放置しておいていいわけではありません。本人が孤独なままに置かれているのではなく、家族や周囲の人たちのサポートが重要です。子供の場合は、特に安心感やスキンシップが回復に向けて有効な手立てとなるでしょう。
<執筆者プロフィール>
山本 恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長
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