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執筆:Mocosuku編集部
監修:山本 恵一(メンタルヘルスライター)
「うつ」や「統合失調症」の回復には、周りの人たち、特に家族の対応の仕方が大きく影響します。
日本でのうつ病患者は100万人を超え(厚生労働省:患者調査上巻第64表 総患者数、性・年齢階級×疾病小分類別 2008年)、いまや現代病だと言える状況です。
このような「いつ誰がなっても不思議でない」今日、もしも家族の誰かが「うつ」になった場合、私たちはどうすれば良いのじゃ、またどうすべきなのか。
ご一緒にみていきましょう。
家族のマイナスの感情が影響
うつ病や統合失調症などからの速やかな回復のためには、適切なカウンセリングや薬物治療に加えて、患者さんを過度のストレスを避ける環境に置くことが大切です。
つまり、患者さんにとって一番身近な存在である「家族」が、本人に対してどう接するかによって、病気からの回復具合=再発率が大きく変わってくるのです。
そこで重要になるのが、家族が本人に接する際の感情表現の仕方、いわゆる感情表出(Expressed Emotion:EE)です。
これは、一般的な感情表現のことを表しているわけではなく、「患者さんにとって苦痛となる家族の感情」があらわになることを意味しています。
具体的には、
・「甘えてばかりいるな!」「お前はダメだ!」といった批判的感情
・無視をしたり攻撃したりする敵意ある感情
・患者さんを過度に気遣いすぎてしまう情緒的巻き込まれ
の3つがあり、これらの感情表出が多い家庭を「高EE」と呼びます。
多くの研究が、高EEの家庭は低EEの家庭に比べて、再発率が4~5倍に上昇すると報告していて、高EEの家庭に対して、低EEになるように教育を行ったところ、再発率が低くなることも分かっています。
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