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ゆっくりと、確実に血糖値を下げる薬を
以上を踏まえ、室原教授は次の点を強調しています。
「過去の研究において、急激な血糖値の下降はかえって心疾患による死亡リスクを高めることが示されています。一方、ゆるやかに血糖値を下げる薬については、5~6年といった短期間で有効性を示すことは困難ですが、10~15年の長期的視野に立てば心疾患リスクを下げることが分かっています。
循環器内科の立場としては、『心疾患のリスクを考えると急激に血糖値を下げる薬は避けたい。ゆっくりと、確実に血糖値をコントロールできる薬が望ましい』となります。日本で約500万人の患者さんが使用しているDPP4阻害剤はその要件を満たすものです。
今回の大規模臨床試験の結果は、日本の標準的な糖尿病治療で使われている薬が、心疾患リスクを過剰に心配することなく、引き続き使用できるものであることを示しています。糖尿病患者さんにとって、ひとつの安心材料になるものといえるでしょう」
※1 大規模臨床試験「TECOS」:Trial Evaluating Cardiovascular Outcomes with Sitagliptinの略で、経口2型糖尿病治療薬「シタグリプチン」の心血管系への安全性を評価した大規模臨床試験。
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糖尿病の原因について説明した 「糖尿病の原因 : 糖尿病の4つのタイプとその原因とは?」
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