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家計にとって母乳とミルクの違い
母乳は基本的にお母さんがいれば可能で、消毒や作る手間などはかかりません。
一方ミルクは、粉ミルクやそれを飲ませるための道具(哺乳瓶など)、それらを消毒するための道具、そして清潔で乳児が飲んでも安全な水が必要です。
ミルクだけを金額に換算すると、1カ月に1万数千円くらいはかかります。
育児環境が不足していることによる「負担」はどちらも同じ
ミルクにも母乳にも、母親が育児をするうえで「負担」と感じる点があります。たとえば次のようなことです。
授乳にかかる手間や身体の負担
生まれて数か月の赤ちゃんはとても頻繁に飲みたがります。
とくに「母乳だけ」で育つ場合、1日に8~10回くらい授乳をすることが普通で、それ以上のときもあります。それくらい頻繁なので、抱っこをしてくわえさせることに慣れていれば良いのですが、最初はそう簡単にいかない場合もあります。
一方、「ミルクだけ」で育つ場合は1日8回ほど。
ミルクの場合、その都度作る手間がかかります。また、その前後にオムツをみたり、汚れていれば取りかえたりなど、一連の流れを何度も何度も行いますので、24時間対応で身体にも大きな負担がかかります。
赤ちゃんを連れてお出かけをしたときの負担
母乳であればどこでも飲ませることができます。
ところが、実際には人目が気になって「どこでも」というわけにはいかないかもしれません。
また、ミルクであれば、哺乳瓶、乳首、ミルク、お湯などの必要なものがそろっている必要があります。
最近の大型の商業施設には「授乳室」があり、調乳用のお湯もそこに備えられていることが増えています。しかし、その数は充分だとはいえません。
赤ちゃんにとっては、母乳で育てるということが一番良いものの、ライフスタイルが多様化している現代、母乳に固執せず「どうしても一人で出かけたい」というときなど、他人にミルクを飲ませてもらうことも問題ないと思います。
日本でも、震災などの経験を通して液体ミルクが解禁される方向で動いているようです。
安易に選択してしまうのは困りますが、臨機応変に使っていくことで、頑張っているお母さんのケアにも繋がることでしょう。
<執筆者プロフィール>
座波 朝香(ざは・あさか)
助産師・保健師・看護師。大手病院産婦人科勤務を経て、株式会社とらうべ社員。育児相談や妊婦・産婦指導に精通。
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