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ひどいガニ股はケガや病気になることも
ガニ股は外見的な問題だけでなく、程度がひどくなると腰や膝、足の痛みをおこすことがあります。
長く歩いたり、ランニングしたりすると足の裏や甲、膝などに痛みが出るというのであれば、扁平足やハイアーチ、あるいは外反母趾などがあるかもしれません。
ガニ股は放置しておくとO脚の状態がだんだんひどくなることもあります。
軽度のO脚であれば姿勢に気をつけたり、サポーターなどを使ったセルフケアでも対応できますが、重度になると手術などをしなければ治せない状態になることもあります。
若いときには大丈夫だとしても、年齢を少しずつ重ねるおと強い痛みで歩くこともままならない、といったところまで進行するケースもあります。
ガニ股を改善する対策法
ガニ股に対する対策として手軽に取り組めるものは、「姿勢を良くする」「筋トレをする」「サポーターを使う」という3つがあります。順番に見ていきましょう。
姿勢を良くする
普段から姿勢に気をつけておくことは、ガニ股だけでなく、肩こりや腰痛、頭痛対策としても有効です。
姿勢をみるときのポイントは、からだを横からみたとき、以下の部位が一直線のライン状に並ぶことです。
・耳
・肩(肩峰:けんぽう):肩を触りながら腕を真横にあげたときに凹みを感じるところ。
・骨盤(大転子:だいてんし):骨盤と太もももつなぎ目の部分で、横から触ると出っ張りを感じるところ。
・膝(膝のお皿の後ろ)
・外くるぶし
筋トレをする
太もものなかでも、とくに内腿の筋肉をトレーニングします。
ガニ股の人の多くは、太ももの内側の筋肉が弱くなっています。太ももの外側の筋肉の方が内側よりつよいアンバランスな状態だと、膝の関節が外側に引っ張られてしまいます。
太ももの内側にある内転筋をトレーニングすることで、このアンバランスを解消することが目的です。
トレーニングは簡単です。
椅子に座った状態で、両膝にバレーボールくらいのゴムボールを挟んでそれを潰すようにうごかすだけです。1日15〜30回を3セット目安に取り組みます。
サポーターを活用する
ガニ股の改善におすすめのサポーターは、靴のなかに入れる「中敷(インソール)」です。
膝全体を包んだり両膝をつなげるサポーターもありますが、着け外しが面倒だったり膝が固定されるので長つづきしない人が少なくありません(使いつづけられるようであれば、もちろん使ってOKです)。
靴の中敷であれば、普段履く靴のなかに入れておくだけなので手軽です。
ポイントは足の裏のアーチをサポートしてくれるもの、体重が「かかと → 足の裏の少し外側 → 足の親指」の順番にかかるよう少し外側が高くなっているものを選ぶことです。
こういったインソールは健康関連のグッズなどを揃えているお店にも置いていますし、靴屋さんなどで取り扱っているところもあります。
ただ、実際に履いてみないと履き心地がわかりませんので、直接店舗に行って履いてみることをおすすめします。
いかがでしたでしょうか。
ガニ股は姿勢や足の裏のトラブルなどによっておこることが少なくありません。
足が疲れやすかったり、長く歩いたりすると膝や足に痛みや疲労感を感じるのであれば、一度自分の姿勢を確認したり、普段履いている靴、運動するときに使うシューズなどを見直してみることがいいですね。
【参考】
*中村隆一他(著):基礎運動学 第6版, 2003, 医歯薬出版
*Jane Johnson:セラピストのためのハンズ・オンガイド姿勢アセスメント, 2014, 医歯薬出版
*蒲田和芳(監):足部スポーツ障害治療の科学的基礎 (Sports Physical Therapy Seminar Series), 2012, ナップ
*Sportsmedicine 2012 NO.142・膝の動きを診る(http://www.bookhousehd.com/pdffile/msm142.pdf 2016年11月16日閲覧)
<執筆者プロフィール>
森 ジュンヤ(もり・じゅんや)
理学療法士国家資格取得。急性期総合病院、回復期リハビリ専門病院、訪問看護ステーションにて臨床経験を経る(現在10年目)。専門分野は保健衛生分野。現在は医療関連記事、動物臨床医学、保健衛生学についての執筆を行う。
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