(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
恐怖症の治療
不安や恐怖の発作が一度起こると、似た状況になった場合に再び発作に襲われるのではと不安になることを「予期不安」と言います。
恐怖症の人は前述したように予期不安によって対象を回避し、耐えている場合が多いのです。
けれども、それでは対応できない場合もあります。例えば、飛行機恐怖の人が海外に営業に行かなければならないとか、高所恐怖の人が高層ビルにオフィスを構えざるを得なくなった、などです。
実際に、こうした不可避的な状況に追い込まれて治療を受ける人が多いようです。
恐怖症の治療では、抑うつや不安の症状が顕著であれば薬物療法を受けながら、病気への理解を深めたり、精神療法が実施されています。
患者さんに十分な治療意欲が認められれば、軽いものから段階的に恐怖対象にあえて直面して、これを克服していく「暴露療法」も用いられます。また、予期不安を軽減するために「リラクゼーション」も効果的です。
<執筆者プロフィール>
山本 恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長
スポンサーリンク