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執筆:南部 洋子(助産師、看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
子どもに玩具(おもちゃ)はつきもの。ただ、遊び道具であるだけでなく、学習効果もあるならぜひ、自分の子どもに与えたいと思うでしょう。
そんな玩具を「知育玩具」といいます。
しかし宣伝で「知育玩具」と称されていても、なかには実際効果のないものもあるようです。
あらためて、知育玩具とはどういうものなのか、詳しくご説明したいと思います。
知育玩具とは
子どもは遊ぶことで多くを学び、脳にも刺激が与えられます。
その際、玩具がなくても身の回りのモノを「遊び道具」にして遊ぶことはできますし、実際にそうやって遊んでいる子どももたくさんいます。
しかしせっかくですから玩具を、そして遊びを、考える能力や知的能力を高める機会にしたらどうかと考案されたのが知育玩具です。つまり、玩具が子どもに与える知的発達への影響を配慮して作られた、「知能の発達や心の成長を促す目的に作られた玩具」を知育玩具と呼びます。
現在、知育玩具として販売されている商品は多いのですが、知的玩具だと銘打つために制約や条件があるわけではありません。
昔から定番となっている「積み木」「ままごと」「パズル」なども、現在では知育玩具として見直されています。
知育玩具の特徴
一般に「教材」は知識を増やすための学習素材ですが、知育玩具はむしろ、「感じる」「表現する」など、子どもの活動に刺激を与えることを「ねらい」としている場合が多いようです。
もちろん、小さな子どもが興味を惹くような形や色であったり、安全性も確保できていなくてはなりません。
ユーザーの方も、とくに乳幼児に使用する場合は口に入れることなどを考慮して、塗料などに有害物質が含まれていないか、布製ならば衛生面で洗濯が可能かどうか、また誤飲しない大きさなのかなども含めて選択する必要があります。
知育玩具の変遷
玩具の歴史は古く、インダス文明跡から紀元前にすでに玩具らしきものが見つかっています。
近代以降、玩具を知育玩具として使用するようになったのは積み木が基になっていると思われます。そして1949年にレゴ・ブロックの原型が作られていて、創意工夫や模倣、認識能力などの強化に役立つと謳われています。
日本では1970年代以降に教育ブームが起こり、親が子どもに玩具を通して教育をするというコンセプトのもと知育玩具が多く出回りました。しかし学習効果をねらいすぎて、幼児の関心を惹きつけることができなくて、失敗に終わったものも多かったようです。
親の自己満足にとどまってしまった知育玩具もあったようです。
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