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執筆:井上 愛子(保健師、看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
日本人の約半数が、生涯のうちにかかる「がん」。
かつては不治の病とされていましたが、治療の選択肢が広がり、治癒を望めることも多くなってきました。それでも依然として、治療困難な状況に陥ることも多いがん治療において、近年注目を集めているのが「プレジジョン・メディシン」。
耳慣れない言葉ですが、一体どのようなものなのでしょうか。
遺伝子に注目した「精密医療」
プレシジョン・メディシン(Precision Medicine)は、おもに「精密医療」と訳されます。
これまでにも、がん治療において一人ひとりに合った治療法を選択する「個別化医療」や「オーダーメイド治療」という言葉は注目されてきました。
同じがんであっても、それによって起こる症状や辛さ、また治療の効果・副作用などは、患者によって大きく異なります。がんの種類に応じた一律の治療法を当てはめるのではなく、患者に応じて治療方針を決定し、進めていくことは、治療を受ける側にとって、非常に有益なことです。
そして、さらに医学研究が進んだことで、注目を集めているプレジション・メディシン。
これは、同じ病気であっても患者ごとの違いを遺伝子レベルで調べ、原因を特定し、それに最も合う治療法を選択することで、最大限の治療効果を目指すものです。
世界中が注目するプレシジョン・メディシン
プレシジョン・メディシンは、2015年1月20日にオバマ米大統領(当時)が一般教書演説の中で触れたことでも注目を集めました。
個別化医療をより進展させるため、プレシジョン・メディシンの発展に注力することを語っていて、今後世界中が目指す医療の在り方となることでしょう。
実際に日本でも、多くの医療機関や製薬会社が参加するプロジェクトが始動していて、がん治療の研究は新たなステージに入っていると言えます。
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