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執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー)
医療監修:株式会社とらうべ
「食」は生きていくうえで欠かすことができない営みです。
しかし、時に食欲が低下してしまうことがあります。
多くの人が経験している食欲不振ですが、その原因はさまざま。疾患が原因となっていることもあれば、ストレスなどの生活習慣からくることもあります。
そこで今回は、食欲不振の原因と対策について整理していきましょう。
食欲不振を引き起こす疾患
慢性胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍
慢性胃炎は胃の粘膜が弱まり、炎症がくり返されている状態です。
多くがピロリ菌の感染によるものですが、慢性的なストレスや薬の副作用なども原因になります。
慢性胃炎が進行して、炎症部位が深くなったり、穴があいてしまうのが胃潰瘍や十二指腸潰瘍です。
食欲不振の他にも、胃痛、胃もたれ、胸やけ、げっぷ、嘔気などの症状があらわれます。
胃がん
胃がんは、日本人に多いがんです。
初期は自覚症状がなく、食欲不振のほかに、みぞおちの痛みや嘔気が出てきたころには状態が進行している場合が多いです。
慢性肝炎・肝硬変
慢性肝炎は、ウイルスやアルコール、薬剤などの影響で慢性的に炎症が起こる状態です。
慢性肝炎が長期化すると、細胞の再生と壊死がくりかえされ、硬く線維化した状態になります。これが「肝硬変」です。
肝臓は「沈黙の臓器」と言われるほど症状が出にくく、食欲不振は肝臓がようやく発するサインです。そのほかに倦怠感や悪心などがあらわれます。
甲状腺機能低下症
免疫異常によって、甲状腺ホルモンの分泌低下が起こります。
ほかにも、無気力や疲労感、皮膚の乾燥や便秘などあらわれます。
慢性副腎皮質機能低下症(アジソン病)
自己免疫異常などにより、副腎皮質ホルモンの分泌低下が起こります。
ほかにも、疲労感や皮膚の色素沈着、頭痛、めまい、下痢などがあらわれます。
うつ病
精神的・身体的ストレスが重なるなどのさまざまな理由から脳の機能障害が起きている状態です。
食欲不振のほかに睡眠障害、集中力の低下、気分の落ち込みなど心身ともに症状があらわれます。
神経性食欲不振症(いわゆる「拒食症」)
肥満に対する恐怖心から極度のカロリー制限や意図的な嘔吐、下剤の乱用などによって栄養障害を起こします。女性の場合は無月経が続くこともあります。
風邪・インフルエンザ
風邪やインフルエンザのウイルスが侵入すると、ウイルスを排除するために免疫機能が活性化します。そのため、消化機能が低下して食欲不振が起こります。
そのほかに、頭痛、鼻水、鼻詰まり、咳などがあらわれます。
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