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寒気とは
すでにお伝えしたように、私たちの身体は体温を高め、熱を保持しようとするときに血管を収縮させて、体外へ熱が逃げないようにしていますが、このとき、身体の表面の血流も低下します。
これによって生じるのが寒気です。
身近な例を挙げてみましょう。
冬の季節、温かい部屋から寒い外へ出たとき、寒気を感じることがありますね。
これは寒さに反応して交感神経が活発に働き、血管が締まって血流を少なくしているからえす。血液の流れる量を減らして、放熱を抑えようとしているわけです。
また、寒気を感じると震えが起こることがありますが、これは、身を縮めて熱を出すのを防ごうとする身体の反応です。
筋肉が震えることは、熱を発生させるからです。
風邪や感染症にかかったときにも、細菌やウィルスと戦うために、発熱します。また、このとき、体温を外へ逃がさないようにするために、身体の表面の血流も低下します。
風邪などを引いた時に寒気(悪寒)を感じるのはこのためです。
このように、寒気を感じるというのは身体を守るしくみのひとつなのです。
ところが、風邪や感染症などで発熱がないにもかかわらず、寒気を感じることがあります。
それは、体温の調節には細菌やウィルスといった外的な要因だけでなく、女性ホルモンの分泌や自律神経のバランスなどの影響も受けるためです。
どういうことなのか、具体的にみていきましょう。
寒気と女性ホルモンの関係
ここまでお話したように、寒気は、体温の上昇と大きく関係しています。
体温が上昇するのは風邪や感染症などにかかった時だけと思われがちですが、実はそうではありません。
女性は、月経から排卵にかけては低温相、排卵から月経にかけては高温相というように、月経周期に合わせて基礎体温が変動していて、この変動にともなって寒気を感じることがあるのです。
これは月経をコントロールする2つの女性ホルモン「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲストロン(黄体ホルモン)」によるものです。
このうち排卵期や月経前に分泌量が増えるプロゲステロンには、体温調節中枢に働きかけ、体温を上昇させる働きがあります。
排卵期や月経前に寒気を訴える人がいますが、これはプロゲステロンの働きによって上昇した体温を保持するために血管が収縮し、身体の表面の温度が低下するためであると考えられます。
ただ、すべての女性に寒気の症状が現れるわけではなく、女性ホルモンの働きについては現在も研究が進められています。
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