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かゆみを引き起こす代表的な皮膚疾患
代表的な皮膚疾患ごとに原因をみていきましょう。
アトピー性皮膚炎
慢性的な皮膚炎で、特定の場所に強いかゆみの症状が現れます。
アトピー性皮膚炎の症状は、年齢によって違います。
たとえば1歳未満では、じくじくとした腫れ、かゆみといった症状が顔や頭を中心に現れますが、1歳~15歳頃になると全身の皮膚が乾燥し、ひじの内側、ひざの裏側、おしりなどに発疹があらわれるほか、ごわごわとした皮膚へと変化します。
アトピー性皮膚炎は、遺伝的な要因(アレルギー体質、乾燥肌体質)に、環境的な要因(ダニ、ハウスダストなどのアレルゲン、乾燥、汗、ひっかきなど)が加わることで発症します。
蕁麻疹(じんましん)
突然、皮膚の一部に、紅斑(こうはん;皮膚が赤く変化する)や膨疹(ぼうしん;皮膚がやわらかく盛り上がる)ができ、しばらくすると消える、という症状を身体のあちこちでくり返す皮膚疾患です。
ほとんどのケースで強いかゆみをともないます。
食べ物、薬、植物、昆虫、感染症、物理的刺激、暑さ、寒さといったあらゆるものが原因になり得ます。
接触皮膚炎
接触皮膚炎は、特定のものを触れたことによって紅斑や「丘疹(きゅうしん;小さな盛り上がり)」ができる皮膚疾患です。
かゆみや痛みをともなうこともあります。一般的には、「かぶれ」といわれています。
接触皮膚炎は、原因となる物質によって、次の種類に分けられます。
・刺激性接触皮膚炎
毒性のある植物や昆虫、刺激の強い洗剤やせっけんなどに触れることが原因となるタイプ
・アレルギー性接触皮膚炎
金属、植物、ゴム、化粧品など、特定の物質に対するアレルギー反応として症状を引きおこすタイプ
・光毒性接触皮膚炎
接触した化学物質に光が当たることが原因となるタイプ
このように、かゆみを引き起こす原因はさまざまです。
しかしここに挙げた原因のほかにも、かゆみの原因となるものがあります。それは、「乾燥」です。
乾燥がなぜかゆみの原因となるのか、ご説明していきます。
乾燥がかゆみの原因となるワケ
私たちの皮膚は、外側から表皮、真皮、皮下組織という3つの層で成り立っています。
このうち、一番外側にある表皮はさらに3層にわかれます。外界と体内を分ける一番外側の部分を角層といい、保湿機能とバリア機能を持っています。
角層は水分と皮脂でできた皮脂膜に覆われていて、外部の刺激から肌を守り肌に潤いを与える役割を果たしています。
そのため空気の乾燥や保湿不足で皮膚が乾燥すると、水分や皮脂が減って肌のバリア機能が低下し、少しの刺激でもかゆみや痛みを感じるようになります。
乾燥が原因で起こる皮膚疾患には、次のようなものがあります。
手湿疹(主婦湿疹)
水仕事で皮膚が乾燥することで「指や手がカサカサする」「水ぶくれができる」「赤みやかゆみがでる」といった症状が現れる皮膚疾患です。
皮膚を守っている皮脂が水仕事によってはがれてしまい、そこに石鹸や洗剤などの化学的な刺激、物と接触するなどの物理的な刺激が加わることで症状が現れます。
水仕事をする機会の多い主婦に多い症状であることから、「主婦湿疹」とも呼ばれています。
皮膚そうよう症
発疹などの症状が現れず、かゆみだけが現れるものを皮膚そうよう症といいます。
多くの場合、皮膚の乾燥が原因となります。
皮膚の乾燥が進んでいる高齢者に多く、とくに空気が乾燥している冬場に発症しやすい皮膚疾患です。皮膚そうよう症は乾燥以外にも、糖尿病、腎疾患、肝硬変など、ほかの病気の症状として発症することもあります。
このように、空気が乾燥している冬は、とくに肌のかゆみに気をつけたい季節といえます。
最後に、かゆみ対策についてご紹介していきましょう。
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