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サプリメントと薬の併用は可能?
サプリメントの中には、薬との併用によって、薬の効果を弱めてしまったり、逆に強めてしまい、副作用が出やすくなるものもあります。
ですから、組み合わせによっては、薬との併用に注意しなければいけません。
具体的に薬との併用で注意すべきこととして、次のようなものがあります。
脂溶性ビタミンを過剰摂取する危険性
サプリメントには、ビタミン成分が一緒に配合されているものも多くあります。
ビタミンには、水溶性ビタミン(ビタミンB群やビタミンCなど)と脂溶性ビタミン(ビタミンAやビタミンD、ビタミンEなど)があります。
水溶性ビタミンは、過剰になれば尿とともに排泄されるため問題ありませんが、脂溶性ビタミンは、摂り過ぎると体内に蓄積し、過剰症を起こすことがあります。
たとえば、ビタミンA過剰症では、皮膚の乾燥やかゆみ、脱毛、頭痛など、ビタミンD過剰症では、高カルシウム血症による、嘔吐や下痢、食欲不振などの症状がみられる場合があります。
薬としてビタミン剤を服用中にサプリメントを併用することにより、脂溶性のビタミンを摂り過ぎになってしまうことがあり、注意が必要です。
ワルファリンカリウムとの併用
血液を固まりにくくするワルファリンカリウム。
この薬を服用中にクロレラや青汁などビタミンKを多く含むサプリメントを併用することで、ワルファリンカリウムの効果を弱めてしまいます。
ビタミンKは血液凝固に関与しています。
ワルファリンカリウムは、ビタミンKの働きを阻害することによって、血液を固まりにくくする薬であるため、その効果を弱めてしまうのです。
ビタミンKを多く含むサプリメントの摂取は避けましょう。
セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)の影響
セイヨウオトギリソウは、精神を安定させたり、ストレスの緩和によいとされるハーブです。
セイヨウオトギリソウを含有するサプリメントは、多種の薬の代謝を促進して、薬の効果を弱めてしまうことが報告されています。
この他にも、注意しなければいけない組み合わせがまだあります。服用中の薬がある場合や、日常的に摂取しているサプリメントがあり、薬を服用することになった場合には、事前に具体的な薬やサプリメントの名称を医師や薬剤師に伝え、併用に問題がないかを確認するようにしましょう。
【参考文献】
・厚生労働省『健康食品による健康被害の未然防止と拡大防止に向けて』(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/dl/pamph_healthfood.pdf)
・厚生労働省『健康食品のホームページ』(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/hokenkinou/)
・薬事法マーケティングの教科書『健康食品(サプリメント)と医薬品の違い・飲み合わせ〔薬事法〕』(http://yakujihou-marketing.net/archives/266)
・一般社団法人愛知県薬剤師会『医薬品との併用に注意のいる健康食品』(http://www.apha.jp/medicine_room/entry-3755.html)
<執筆者プロフィール>
大田 あこ(おおた あこ)
薬剤師。某大学病院で調剤業務ならびに病棟薬剤業務に12年従事。現在は育児に奮闘しながら医療系記事の執筆を中心に活動中。
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