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生活不活発病の由来
生活不活発病は1960年代以降、リハビリテーション医療の分野では「廃用症候群」と呼ばれてきました。
身体を動かさない生活をしていることで、全身の器官が機能低下していく症状を指します。
筋力低下、体力の衰え、心臓機能低下、便秘、食欲減退、認知症、抑うつ状態など、身体と精神のどちらにも影響します。そして、こうした機能低下が、やがては仕事や人間関係など社会生活を大きく不活発にしていきます。
たとえば、筋力低下は1日動かさないと3~6%も衰え、回復するには1週間を必要とします。そんな日々が積み重なると、少し動いただけで息切れがしたり、部屋でじっとテレビばかり見ていたり、人に会うのが面倒になったり、外に出るのが億劫になってしまいます。
これが、生活不活発病の悪循環です。
「廃用症候群」という用語の生みの親、大川弥生医師は「やることが無くて動かなくなる悪循環を改善するため、本人がやりたいことを見つけることが何より大切」と言っています。
若者にも広がる生活不活発病:運動不足病
生活不活発病は別名「運動不足病」とも呼ばれています。
これは、元来この病名が高齢者や病気の方、障害者などによく見られた「リハビリテーション医療」の用語だったのが、生活が便利になった最近では、そうした人々に限らず、子どもから働き盛りの人にも身近な問題となっているからです。
たとえば、部屋や家に引きこもって終日、ゴロゴロしながら、テレビやインターネット視聴に明け暮れるといった生活をしていると、知らないうちに生活不活発病に陥ります。
ですから、ふだんから運動不足にならないようにすること、もしなってしまったら、急に無理をすると達成も長続きもしませんから、大川医師の言う「できることから始める!」という実行可能な目標を設定することがポイントです。
いちど達成して自信がつくと、「もっとやってみよう」という気持ちになって、運動の範囲が広がります。
たとえば次は、部屋の掃除や家事をするようになるといった具合です。
さらには、外に出て、知人と話しをし始めて、交流会や運動会参加に拡がったり、ついには、勉学や仕事に取り組めるようになれば「しめたもの」です。
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