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震災時の避難所で実施された「生活不活発病」対策から
自分の意思でなくて、不幸にも震災などに遭遇して、長時間避難所に退避し、そこで、あまり動けない・動かない時間ができてしまうと、生活不活発病は起こります。
これを防ぐには、自発的に行動することが大切ですが、そうはいっても、被災地や避難所で「やりたい」を見出だすのは、難しいかもしれません。
そこで、たとえば次のような工夫が必要になってきます。
少しでも動く
周囲の人に挨拶をしたり、積極的に人と話をしたりするなど目的をもって行動をする、また、高齢者やケガをしていて歩くのがつらいなら、伝い歩きや杖を使うなどしてみるのもいいでしょう。
また、独りでいると思いつめてしまいがちなので、話をしたり、用事を作って歩いたり行動したりすると、身体だけでなく、心もふさぎ込みがちだったのが元気になります。
掃除をする
何も手につかなくなって、避難所の掃除を怠ることもあるかもしれません。
そこで「部屋の様子は頭の中の状態」などと喩えられるように、モノを片づけたり捨てたりすることが奨励されました。
これによって頭の中が整頓されます。
また、掃除は必然的に身体を動かすという行為となり、運動不足の解消も果たします。そのうちに、自分がやりたいこと、やるべきことが、ハッキリと見えてくるかもしれません。
記録をつける
避難所で何もしないでい続けると、うつ病や認知症を発症するリスクも高まります。
脳の衰えを防ぐには、生活記録をつける習慣をもつのも一つの工夫。
とくに「今日起こったこと」よりも「昨日経験したこと」を想い出しながら書くほうが効果的といわれました。
「どうせできないから・・・」「面倒だから・・・」ではなく、どんなに些細なことでも「自発的にやりたいことを見つけ」行動していくことが何よりも効果的といわれる生活不活発病。
「動かない」から「動く」へ、さらには、「動くのが楽しい」に変わっていくよう、周囲を巻き込んで、協力しながら改善をしていくことが大切なようです。
<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお・かおるこ)
助産師・保健師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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