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肥満と認知症
メタボリックシンドローム(代謝症候群:通称メタボ)は、内臓脂肪型肥満に、高血圧・高血糖・脂質異常症のうち2つ以上の症状が出ている状態を指しています。
目下、メタボは中高年に増えていて、40歳以上の男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボやその予備軍ともいわれています。
もちろん、肥満それ自体は病気ではありませんが、「万病のもと」ともなり、認知症についても発症のリスクを高めるといわれています。
2014年に発表された北米神経学会の研究発表では、肥満体型は標準体型と比べると、記憶にかかわる脳の「海馬」の収縮率が約2倍とのこと。
また、国立台湾大学の研究では、肥満度を示すBMI(ボディマス指数)数値が25.5以上の肥満体型は、20.5~22.9の標準型と比べて、認知症を発症するリスクが約2.44倍にも上るとされています。
このように、肥満は認知症の危険因子として認知されています。
やせすぎも要注意!?
社団法人老人病研究会によると、アメリカでの研究に、認知症になる前から体重減少が起こるというものがあるそうです。
449人の認知症がない正常な高齢者を対象に、ワシントン大学アルツハイマー病センターで、平均6年間の体重変化の調査が行われました。そして、調査期間中に125人がアルツハイマー型認知症を発症しました。
この結果、認知症にならなかった人に比べ、アルツハイマー型認知症に罹った人の体重減少は約2倍だったこと、また、発症する前の体重も、認知症にならなかった人たちより約3.6㎏少なかったことが判りました。
このように、認知症を発症する前から体重減少が見られることや、認知機能が悪化すると体重も徐々に減少することは日本でも指摘されていて、今後、どうしてそのようなことが起こるのか解明が待たれています。
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