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脳の栄養失調
近年、MRIなど画像診断装置の開発によって脳科学が発展し、生きている状態で脳に起こっていることが解明されてきています。
それによると、脳は食べたエネルギーの20~25%ほどを消費する“大食漢”でありながら、エネルギー源を貯蔵できないので、ブドウ糖を血液から常に摂りこんでいなくてはなりません。
また、脳へのブドウ糖の供給が数分とまっただけでも死んでしまうので、脳は食欲を制御して空腹や満腹を感知し、その結果から摂食行動をコントロールしていることも解ってきました。
また、何らかの理由で十分な栄養が届かなかった場合、脳はエゴイスティックに自分の使う分を最優先し、身体の他の器官に栄養素がいかないようにしてしまいます。
たとえば、ダイエットがいき過ぎてブドウ糖が不足すると、脳は身体の他の組織がブドウ糖を使えないようにし、インスリンへの感受性を弱くしてしまいます。
この結果、身体の細胞がブドウ糖を使えない病気、つまり、糖尿病を発症するといったことが起こります。
こうした病気もまた、「腹が減っては戦ができぬ」が脳の栄養失調というかたちで起こっている事例といえるでしょう。
必要エネルギーを計算する
健康に過ごすためにはエネルギーはどれくらい必要なのでしょうか?
肥満ややせは生存率を低くしますから、健康に生きていくために目標となる体重(標準体重)に、生きるために最低限必要なエネルギーの「基礎代謝量」と、毎日どれくらい身体を動かしているかという「身体活動レベル」を掛け合わせたものが、1日に必要なエネルギー量ということになります。
たとえば、身長170センチ、体重70キロ、身体活動レベル「ふつう」の40歳男性の場合、目標体重を65kgとすると、1日に必要なエネルギー量は、標準体重65kg基礎代謝基準値22.3×身体レベル1.75≒2,537kcal、およそ2500kcalになります。
栄養学的には、このエネルギー量を食事でもって摂ることで、「腹が減っては戦ができぬ」状態を回避することができます。
加えてそのさい、栄養素をバランスよく摂取することが求められます。
炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラルなどの栄養素をバランスよく摂取していくことで、身体の活動効率を最大化できることが強調されています。
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