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おしゃれの代償:タトゥーによる悪影響
若気の至りやかっこよさを追求した結果のファッションタトゥーとはいえ、身体のことを思うと酷な行為です。
タトゥーの影響については、次のようなことが指摘されています。
傷から感染がおこる
タトゥーは、針を使用して皮膚に傷をつけるという過程を経なければなりません。
施術の環境、手技、道具などが不衛生な場合、傷口からの感染が懸念されます。
アレルギー症状が出る
皮膚に入れられるインクや墨などの色素は、身体にとって異物とみなされます。
そのため、インクに対するアレルギー反応を起こす可能性があります。
またそのインクについては、現状では厚労省など国の機関で定められた規制は存在しません。
ですから、使用されるインクが適切なものなのかどうかを判別することは難しいと言えます。
仮にインクが原因でアレルギー反応が起こると、身体にとって異物とみなされたアレルゲンを取り除かない限り、症状が出続けたり、さらに悪化することも考えられます。
またたとえ、施術直後にアレルギー症状が起こらなかったとしても安心はできません。
症状は遅れて出てくるケースもありますから、注意が必要です。
安全に医療行為を受けられなくなる
タトゥーを入れた後、MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)などの検査を受けた人が、インクを入れた部分に沿ってやけどをしてしまった、という事例があります(※)。
この事例から、インクの種類によっては施術の影響で安全に医療を受けられなくなる可能性がある、ということがわかります。
そのため、医療機関によっては、タトゥーを入れた人がMRI検査を受ける場合、同意書の提出が求めることがあります。
さらに、身体がインクに使われている成分にさらされ続ける影響(※※)については、現時点において「絶対に安全」といえる医学的な根拠はありません。
(※出典:五本木クリニック院長ブログ『タトゥー(刺青)を入れているとMRI検査が受けられない、という話は本当かな?』)
(※※局所での免疫学的反応、炎症反応のほかに、リンパ液に運ばれての遠隔部位での蓄積や生体反応など)
タトゥー施術が子どもにおよぼす影響:C型肝炎ウィルス
タトゥーは、自分の身体だけでなく、将来、自分の子どもにまで影響を及ぼすリスクも含んでいます。
それは、不潔な針を使いまわしたことによる、C型肝炎ウィルスへの感染問題です。
C型肝炎ウィルスは、感染後、無症状で経過することが多く、5〜10年、あるいはもっと後からでも肝硬変や肝臓がんになる可能性がとても高い病気です。
肝臓がんの原因の80%は、C型肝炎ウィルスです(※)。
C型肝炎は、C型肝炎ウィルスに感染した人の体液が体内に入ることで感染します。
ですから、C型肝炎ウィルスの付着した針でタトゥーの施術を受けると、感染する可能性があります。
そして、感染していることに気づかずに妊娠した場合、非常に低い確率ではあるものの(日本医師会が公表している調査では母子感染全体の数値は約2.3%、この数字はタトゥーに限定しているものではありません)、お母さんの血液に接触して成長するお腹の赤ちゃんまで、C型肝炎ウィルスに感染することがあります(※※)。
(※出典:日本成人病予防協会『がん(悪性新生物)とは?』)
(※※出典:日本医師会『C型肝炎 Q&A(詳細版)』)
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