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「寒さ」と「恐怖」の鳥肌
寒さの鳥肌
肌が寒さを感じると、脳の温度調節中枢がはたらき、体温を逃さないようにと交感神経が働いて、身体の表面の筋肉をちぢめます。
そのとき同時に毛穴にある立毛筋(立毛筋)が毛穴をふさぎ、皮膚からもり上がって鳥肌が起こります。
恐怖の鳥肌
「恐怖」を感じた場合は、心拍数が上がり、筋肉への血流が増えて、身体を守る防衛体制が準備されます。
この時に重要なはたらきをするのが交感神経で、さらに、毛穴を閉じて体中の毛髪を逆立てます。いわば、動物が威嚇(いかく)するときに髪を逆立てて自分を強く見せるなごりが、人間にも残っているようなものです。
このように、寒さと恐怖はどちらも、身体を守るために働く交感神経によって、鳥肌を引き起こしていることが明らかになっています。
感動で鳥肌は立つの?
それでは、感動した時に鳥肌が立つとき、どのような事態が起こっているのでしょうか?
実はこの点については、まだ科学的な解明はなされていないといっても過言ではありません。
また、大辞泉では採用されているものの、巷ではたとえば、就職試験で「〇〇〇という作品を見て、思わず感動して鳥肌が立ちました」といって、面接不合格だったという事例もあって、誤用だという考え方もまだまだあるようです。
このように、感動の鳥肌は、誰もが認める安定した経験とはみられていない面もありますが、これを実証しようとする試みはなされていますので、次にご紹介しておきましょう。
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