温かくて快適な電気カーペット。 でも、そのまま眠らないで!

Mocosuku(もこすく)
  • 温かくて快適な電気カーペット。 でも、そのまま眠らないで!

  • Mocosuku(もこすく)
医療資格者や専門家だけの記事を配信

温かくて快適な電気カーペット。 でも、そのまま眠らないで!

公開日時

電気カーペットによるリスク

 
国民生活センターは、2004年に電気カーペットの使用により発生したトラブルや対策をまとめ、注意喚起をしています。
 
その中で、次のような被害報告が発表されています。
 

低温やけど

 
低温やけどは、体温よりもやや高い温度のものに長時間接触することで生じる、やけどです。
 
皮膚の赤みや水ぶくれなど、一見軽症に見えても、皮膚の深部まで損傷しているケースもありますし、皮膚の移植や患部の切除にまでおよぶ深刻なケースもあります。
 
本報告では、これまでの実験で、接触部分の温度が44℃である場合、およそ6時間で低温やけどが起こるとのことです。
 
さらに国民生活センターが5つの銘柄を対象に実施したテスト検査では、全銘柄とも表面温度は42℃以上で、中には45℃を超える銘柄もありました。
 
これらを踏まえると、とくに夜間、電気カーペットの上で就寝するのは、低温やけどのリスクがかなり高くなるといえます。
 
 

熱中症

 
電気カーペットの出番は秋や冬ですから、熱中症の被害報告とは意外に感じられる方も多いでしょう。
 
熱中症は、体温調節がうまく機能しなくなることで、めまいや疲労感、けいれんなどが現われる症状です。
 
たとえば、電気カーペットの上に布団を敷いて眠っていると、徐々に布団内の温度や湿度は上昇します。
 
国民生活センターのテスト検査では、背中の下の温度は38.2~39.0℃、湿度は70.9~90.4%にまで高くなり、最終的には体温が40℃以上になる可能性もある、ということがわかりました。
 
つまり、このような状況下で眠りにつくと、とくに健康な成人に比べて脱水症状になりやすい乳幼児や高齢者については、熱中症のリスクはかなり高いといえるのです。
 
 

電磁波の影響について

 
インターネット上では、電気カーペットの電磁波が身体におよぼす影響について、心配する声をしばしば見かけます。
 
しかしながら、現時点で明確なことは分かっておらず、公的機関からも人体に対する影響は報告されていません。
 
ただし、このような声を受け、現在は電磁波をカットした電気カーペットも販売されています。
 
過度な心配はかえってストレスですから、電磁波が心配で電気カーペットをためらっている方は、電磁波がカットされた製品を検討してみると良いでしょう。
 
 

スポンサーリンク

先週よく読まれた記事

ヨガはどうしてカラダに良いの? 医学的に掘り下げてみよう

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 昨今のヨガブームにより、趣味としてヨガを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。 「なんとなく健康に良さそう」というイメージの強いヨ...

不眠症ならぬ「過眠症」をご存じですか? 症状や原因とは

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは自分の睡眠に満足していますか? 睡眠の悩みと聞くと、多くの方が思い浮かべるのは「不眠症」でしょう。 しかし、「過眠症」で悩んでい...

朝起きたら首が… やっかいな「寝違え」の原因と治し方

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 「朝起きたら首が痛い・・・寝違えたかも!?」 このような経験、どなたも一度はあるでしょう。 そもそも寝違えはどうして...

冷え対策に、「温活」をはじめよう!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 婚活、妊活、終活など、最近は「〇活」というコトバがよく使われています。 「温活」もそのうちのひとつで、今や書籍やインターネットなどあちこ...

「失神」と「睡眠」の違い どこに注目すればいい?

執筆:南部 洋子(看護師) 監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ) 「失神」と「睡眠」の違い、見た目ではなにがどう違うのか、わかりませんよね。 例えば、飲み会...

つった! 寝ていたら足がつるのはどうして?対処法は?

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士) 夜寝ている時、突然足がつってしまい、激痛で目が覚めた! そんな経験をされた方、いらっしゃいませんか? 突然起こる足のつり。どうしてこのようなことが起...

働く人に増えている「適応障害」 原因となる3つのパターン

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 環境にうまくなじめないことから、落ち込んだり、意欲や自信を喪失したり、イライラして怒りっぽくなったり、体調面が悪くなったり、場合...

【家族と暮らし】新着記事

妊婦さんはとくに気をつけたい、チーズなどにいる細菌「リステリア」

妊婦さんはとくに気をつけたい、チーズなどにいる細菌「リステリア」

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 妊娠中はお腹の赤ちゃんのためにしっかりと栄養を摂りたいもの。 しかし、なかには妊婦さんが控えたほうが良い食品もあり...

2019/08/02 18:30掲載

大ブレイクの「タピオカ」 健康・美容的に見た評価は?

大ブレイクの「タピオカ」 健康・美容的に見た評価は?

執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー) 医療監修:株式会社とらうべ 独特な食感と豊富なバリエーション、インスタ映えする見た目などから、若い女性を中心に大ブレイクして...

2019/07/30 18:30掲載

かかりつけ薬局とは違う『健康サポート薬局』 知らなきゃもったいない!!

かかりつけ薬局とは違う『健康サポート薬局』 知らなきゃもったいない!!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 近年、薬や薬局にまつわる制度が大きく変化しています。 2016年4月からスタートした「かかりつけ薬剤師制度」では、“患者のための薬局”...

2019/07/26 18:30掲載

『苦くてまずい』はもう古い?実は栄養満点の気になる野菜『ケール』とは

『苦くてまずい』はもう古い?実は栄養満点の気になる野菜『ケール』とは

執筆:磯野 梨江(管理栄養士) 医療監修:株式会社とらうべ ケールと聞いて青汁を連想される方も多いのではないでしょうか? なんとなく苦くて不味いイメージが強いですが、ケールには現代人に不足しがちな栄...

2019/07/23 18:30掲載

フルーツはいつ食べる? 『朝は金、昼は銀、夜は銅』ってどういうこと?

フルーツはいつ食べる? 『朝は金、昼は銀、夜は銅』ってどういうこと?

執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー) 医療監修:株式会社とらうべ フルーツは健康や美容によい栄養素を摂取できる食品として、私たちの食生活に浸透しています。 ...

2019/07/12 18:30掲載

乳児用「液体ミルク」解禁! メリット・デメリットや注意点

乳児用「液体ミルク」解禁! メリット・デメリットや注意点

執筆:座波 朝香(助産師・保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 2019年春、乳児用「液体ミルク」の国内での販売が解禁されました。 このことを受け、従来の粉ミルクとの違いや、メリット・デメリ...

2019/07/09 18:30掲載