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離人症の症状
専門医の所見では、離人症は「自分が自分でないかのような感覚、あるいは、夢の中にいるようなぼんやりした感覚にとらわれる症候群」と解説されています。
大きく分類すると「離人感」「現実喪失感」の二つの症状があります。
離人感
自分の心と身体が分離され、夢やゲームの世界にいるように感じて、自動的に動かされているような感覚に陥り、その結果、自分を遠くから眺めていたり、幽霊になったように感じたりもするといいます。
また、自分の身体が異物だと感じたり、身体の半分が存在しないように感じたりすることもある、とのことです。
現実喪失感
周囲のものごとが奇妙な人工物に思えたり、周囲の人たちが不自然な演技をしているようにしか見えなかったり、周囲の景色がゲームや映画の中のように見えたりするといいます。
このような症状をもちながらも、通常の生活や行動はできますし、会話も作業もできるので、具体的に何か障害があるというより、本人の中で、あたかも現実が現実でないような不思議な感覚が生じ、そのことが不安を呼び起こします。
また、患者さんはこれらの症状が現実的でないと自覚があり、知覚が明瞭で、中毒性の混乱がなく、てんかんなどでもないことが診断基準になっています。
離人症の特徴
具体的な有病率はわかっていませんが、女性の発症率が高いこと、発症の平均年齢16歳くらいで40歳以上ではめったに見られないことが指摘されています。
また、正常な状態でも、睡眠不足や過労が続くと症状が出る可能性があること、不安障害、統合失調症、うつ病、双極性障害、パーソナリティ障害など、さまざまな精神疾患で認められる症状だということもわかっています。
さらに、甲状腺やすい臓など内分泌障害、てんかん、脳腫瘍などの疾患や、脳外科手術で側頭葉皮質に電気刺激を与えることにより引き起こされたり、アルコールや医薬品、麻薬などの物質によって生じたりするケースもあります。
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