生理前・生理中の不調を緩和する、食事面でのポイント

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生理前・生理中の不調を緩和する、食事面でのポイント

公開日時

生理中の不調

 
日常生活に支障がでるほどの生理痛を、月経困難症といいます。
 
子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が原因の場合は「器質性月経困難症」といいますが、今回は、病気などの原因はないのに生理痛がひどい「機能性月経困難症」を取り上げます。
 
この症状の多くは、血行不良やストレスなどによる、ホルモンバランスの乱れが原因であるといわれます。
 
次に挙げるのは、食事面で留意したいポイントですが、これらは生理中に限らず生理前も同様に気をつけたいポイントです。
 

冷え性

 
冷え性は、血の巡りが悪くなり生理痛を悪化させます。
 
また、排出されるべき経血も滞り気味になります。
 
「冷え」を解消するために、以下のような食材を取り入れましょう。
 
●冬野菜や根菜類:寒い地域でとれる野菜は、体を温めてくれます。
→白菜、ネギ、人参、ゴボウ、レンコンなど
 
●生姜:味噌汁や薬味、その他おかずに生姜を入れると体が温まります。
→すりおろしたり刻んだり、または、生姜パウダーでもOK
 
●ナッツ類:クルミ、アーモンド、カシューナッツなど
 
●果物:とりわけグレープフルーツ、サクランボ、オレンジ、あんずなど
 
●肉類:鶏肉や羊肉
 
●青魚:さんま、あじ、いわしなど
 
●大豆製品:豆腐、納豆
 

鉄分不足

 
鉄分が不足すると、エネルギーの代謝が低下します。
 
冷え性やむくみ、肌荒れ、倦怠感、疲労感、集中力低下などの原因にもなります。
 
鉄分には、ヘム鉄と非ヘム鉄がありますが、これらを含む食品と吸収率を高めるサポート食材を一緒に摂取するのがポイントです。
 
●ヘム鉄を含む食品:牛・豚・鳥のレバー、牡蠣、浅利、シジミなど
 
●非ヘム鉄を含む食品:ホウレン草、小松菜、大豆・大豆食品、切り干し大根、ひじき
 
●サポート食材:ビタミンC(レモンや果物)、ビタミンB6(とうがらし、にんにく、バジルなど)、ビタミンB12(海苔、はまぐり佃煮、いかの塩辛)、葉酸(たたみいわし、焼きのり、納豆、モロヘイヤ、枝豆、ブロッコリーなど)
 

ホルモンバランスを整える

 
大豆イソフラボンが効果的です。納豆や豆腐など大豆製品を積極的に摂りましょう。
 

サプリメント

 
鎮痛剤やピルを飲めば生理痛を軽減できますが、使用をためらう方も多いでしょう。
 
その点サプリメントは、即効性はないものの薬ではありませんから、サポート的に取り入れると楽に感じるかもしれません。
 
もちろん、食事をシッカリ食べることが大前提にあります。
 
飲み方や効果、体質に合う合わないもさまざまですので、事前に充分調べ納得した上で取り入れましょう。
 
 

生理痛を悪化させる食べもの

 
血流を滞らせる食べものは、生理痛を悪化させる要因といえます。
 
たとえば、次に挙げるような砂糖や脂肪、食品添加物を取り過ぎると血液がドロドロになります。
 
●スナック菓子、インスタント食品、ジャンクフードなど
 
●カフェイン:チョコレート、コーヒー、紅茶、緑茶など。
→カフェインは、体を冷やします。飲みたいときは、ノンカフェインのものか、ココアなどがおすすめです。
 
●アイスクリーム:冷たいアイスクリームやかき氷は当然のごとく体を冷やします。
 
●乳製品:牛乳、チーズ。大量に摂るとホルモンバランスを乱し生理痛を悪化させます。
 
●アルコール:少量は体を温めますが、適量を超えると生理痛を重くします。
 
●揚げ物:脂っぽい料理は、ニキビや湿疹ができやすくなります。
 
●塩分:とくに生理前は、むくんだり、胸が張りやすくなります。
塩分はむくみを助長させる可能性があります。梅干し、漬物、味噌汁などは少し控えましょう。
 
 
食生活の基本は、日々バランスの良い食事を摂ることです。
 
その上で、生理で体調が悪い期間は、不調を緩和させる食べものと悪化させる食べものに気をつけて、献立を考えてみてはいかがでしょうか。
 
 
<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー
 
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
 

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