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執筆:杉山 崇(神奈川大学人間科学部 / 大学院人間科学研究科教授)
今回は、長時間労働と心理学合わせて考えながら、過労死や長時間労働を防ぐためのヒントを探していきたいと思います。
「 嫌われる勇気 」
この言葉を覚えておいてくださいね。
それでは詳しく見ていきましょう。
2014年11月「過労死等防止対策推進法」が制定されました。
過労死の問題はもう20年近く議論され、対策も考えられてきましたが、厚生労働省の統計によると過労死が減ってきたとは言いがたい状況です。
過労死の原因としてよく指摘されるのが長時間労働です。これは企業の経営環境の厳しさによる人手不足やブラック企業の問題も関わっています。
しかし、必ずしも特別厳しい経営環境やブラック企業でない場合にも長時間労働や過労死は起こっているようです。これはなぜなのでしょうか。
職場にいないことで嫌われるのが怖い
日本では「周囲の目を気にして」の長時間働いてしまう現象が指摘されます。
これは、上司や同僚に「がんばってる」をアピールすることで自分の評価を維持したり、職場の居心地を良くしたい意識によるものです。
長時間働くことが必ずしも「がんばっている」ことや「成果を出す」ことにつながるわけではありません。
ですが、みんなが忙しくてイライラしている時には、その場にいないと何を言われているかわかりません。つまり、「職場にいないことで嫌われるのが怖い」ので早く出勤して遅くまで残るという訳なのです。
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