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親を一人の子どもで介護する、いわゆる「シングル介護」になってしまうと、仕事にも支障を来たし、収入も減り、結婚もできない・・・という負のスパイラルに陥り、「シングル介護」から抜け出せないケースが多く見られます。
しかし、今回紹介するTさんは、意外な展開で「シングル介護」から脱出する事ができました。Tさんに シングル介護から結婚 までの道のりについて語って頂きました。
頑として施設介護を断り続けた父親
当時都内に暮らしていた40代のTさんは、自宅で自営業を営みながら、60代の父親の在宅介護をしていました。父親の要介護度は2と、それほど介護が必要なわけではありませんでしたので、ヘルパーさんによる訪問介護とデイサービスの利用により、Tさんの生活への影響はほとんどありませんでした。
ただ、ネックとなっていたのは結婚。Tさんは一人っ子で、母親は小さい頃に離婚をしていて、今後も父親の在宅介護を続けるとなると、結婚相手はTさんの父親と同居する事になります。現状が維持できれば相手にも負担はありませんが、もし介護度が上がれば相手にも介護をしてもらう事になる。実は当時つき合っていた女性はいましたが、そうしたことを考えるなか、Tさんは結婚に踏み出せずにいました。
結婚ができる選択肢としては、父親が介護施設に入居する事。幸い、父親にはある程度の貯蓄があったので、介護付き有料老人ホームへの入居は十分可能でした。そうした経済的状況もふまえ、Tさんはある日「施設介護もいいのでは?」と提案してみると、父親は激怒。「施設に入ったら人生が終わる。そんなところに俺は絶対に入らない!」と頑に拒んだと言います。そうしてTさんの在宅介護の生活は、数年に及び続きました。
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