(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
脳と咀嚼 は密接に結びついています。
6月1日はチューインガムの日というのを知っていましたか?日本チューインガム協会が平成6年に制定したのですが、ゴロ合わせでもなさそうです。
古来、平安時代にまでさかのぼり、1年中健康であるようにと、硬いお餅、栗、大根、するめ、昆布などの固いものを食べる行事を元日と6月1日に行っていたことが始まりです。
食の変化で噛むことが減ってきた現代で、もう一度噛むことの大切さを見つめなおすために、協会が制定しました。
噛むことの大切さとは、どんなものでしょうか。近年では、科学的に解明されたことが増え、加齢による反応が鈍ったり、認知症の予防なども期待されています。まずは基本的な咀嚼運動による脳と顔周辺の影響を見てみましょう。
「ごはんを食べる」と脳はどう働く?
私たちがごはんを食べる時、深く考えず、食べたいものをお箸で口に運びます。単純で何気ない行為に見えますが、脳内ではあらゆる箇所が複雑に働いているのです。
・食べたいものをえら
思考、意思を司る前頭葉の前頭連合野で考えます。前頭連合野は認知症との関わりが深いことで知られています。
・お箸でつかみ、口にはこぶ
前頭葉のうしろにある運動野が、手に「お箸を動かして口にはこぶ」指令を出します。
・口が自然とひらく
目で見た情報が視覚野に伝わり、その情報から「口とお箸の距離感」を頭頂葉で認識します。
前頭葉の運動野が口に「ひらく」指令を出します。
・口に入ると自然にとじて噛む
「口に入った」ことを頭頂葉の感覚野で把握すると、前頭葉の前頭連合野が「咀嚼しよう」と判断し、運動野に指令を出します。
運動野で「お箸を口からはなす」、「咀嚼する」2つの指令を出します。
おいしさを感じるのは、側頭葉の味覚野です。
・ノドに通りそうなサイズに噛み砕いたら飲み込む
頭頂葉の感覚野で「ノドに通るサイズに噛み砕いた」と把握すると、前頭葉の前頭連合野が「飲み込もう」と判断し、運動野に指令を出します。
運動野は、飲み込むために必要な筋肉に指令を出します。
そして、咀嚼量はそのまま、記憶情報をもつ海馬や前頭連合野への、刺激の差となります。神経細胞の成長をうながし、情報のやりとりを支えるホルモンが分泌され、脳の反応スピードが早くなると、わかっています。
スポンサーリンク