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ここでは 手術前の剃毛 についてご紹介します。
「盲腸の手術の前には陰部の毛を剃る」という話が、半ば都市伝説のようなかたちで語られています。実際に昔は、盲腸に限らず手術の際には患部付近を剃毛することが常識でした。しかし、現在はカミソリで剃ることはしない傾向にあります。それはなぜでしょうか?
手術前の剃毛 …
そもそもなぜ毛を剃るのか?
剃毛は手術前の処置として、主に2つの理由で行われてきました。(1)雑菌による手術部位の感染を抑えること、(2)医師が手術を進めるときに邪魔にならないようにすること──が目的です。
(1)については、手術部位周囲の体毛や毛根に脂肪分が付いていると、感染源になりやすいと考えられてきたためです。しかし、除毛を行わなくても術後の傷の感染の発生率に差がなかったという報告があります。そのため除毛を行わない医療機関が増えてきています。
そこで、現在は(2)のケース、つまり体毛が手術野の妨げになる場合にのみ、術前に除毛を行うのが一般的になりつつあります。実際の手術の際は、除毛の必要性の判断とその方法は、主治医と看護師とで話し合って決めます。
なお、米国のCDC(疾病予防管理センター)は、手術を妨げない限り剃毛をしてはならないとしています。除毛が必要な場合は、カミソリや脱毛剤を使用せず、電気カミソリを使用するよう勧告しています。
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