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ここでは 児童虐待と子育て についてご紹介します。
今月8日、全国の児童相談所が平成26年度に対応した児童虐待の件数(速報値)が、過去最多を更新したことが厚生労働省のまとめでわかりました。児童虐待の件数は、調査を開始した平成2年度から24年連続で増加をつづけており、前年度比20.5%増となる今回は、初めて8万件を超えたとのことです。
その一方で、日本における出生率は、昭和50年(1975年)に2.0を下回って以来、減少傾向がつづいており、つい先日も安倍首相が現在1.4程度の出生率を「1.8まで回復させる」ことを目標として掲げたばかり。出生率の低下による少子化の問題は年々深刻になっている状況です。
児童虐待と子育て …
児童虐待と切り離せないもうひとつの問題
日本では、本来なら「未来の担い手」として大切にされるはずの子どもたちが、虐待の危険にさらされ、「子どもが減っているのに、子どもへの虐待件数は増えている」という事態が起きています。このように児童虐待が増加しつづけている理由として、厚生労働省では「社会意識の高まりによって相談や通告の件数が増えている」ことも考えられると分析していますが、こうした子どもの問題については、その親を取り巻く環境を切り離して考えることはできません。
児童虐待に関わる「親の問題」としては、まず育児ストレスや育児ノイローゼがあげられます。育児ノイローゼの原因としては、配偶者や周囲のサポートを受けられず、母親が1人で子どもと向きあいつづけることになる「密室育児」が関係しているといわれていますが、これには近年における核家族化も影響していると思われます。
24時間体制で子どもと向きあう育児は非常に大変な仕事であり、親の側もはじめは戸惑ったり悩んだりするのは当然です。かつては、「子育ての先輩」である子どものおじいちゃんやおばあちゃんといった存在が、こうした育児の不安を埋める意味で大きな役割を果たしていましたが、近年では核家族化により、「たまにしか孫の顔を見られない」という高齢者も増えています。さらに、年齢・経験を問わず、女性には「完璧な母親」が求められるケースも多く、こうしたことがプレッシャーとなって本人を追いこんでしまう場合もあります。
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