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今回は、動脈が傷ついた場合の対処法 についてお話します。
私たちの身体は、外傷によって出血しても自然と血が止まるようにできています。しかし、太い動脈を切ってしまった場合はそうはいきません。適切に処置しないと、場合によっては失血死します。
動脈が傷ついた場合の対処法 :血管の種類と特徴
血管には「動脈」と「静脈」があり、いずれも内膜・中膜・外膜の3層から成っています。また、動脈と静脈を結ぶ血管として「毛細血管」があります。以下、それぞれの役割を確認しましょう。
【動脈】
心臓から出た血液を全身へ運ぶための血管で、伸縮性と弾力性があります。動脈の壁は拍動性の血流と血圧に耐えられるように中膜が厚くなっており、この弾力によって内部の圧が減っても丸い形を保てるようになっています。心臓から出ている大動脈は大人だと直径3cmもあります。末端に行くにつれて枝分かれして細くなっており、これを細動脈と言います。
【静脈】
全身に行きわたった血液を心臓に戻すための血管です。動脈に比べて血管にかかる圧力が小さいため、中膜の平滑筋が少なく、薄くてしなやかにできています。皮下組織内を走行する静脈を皮静脈と総称しています。静脈注射や点滴の針を刺すのは皮静脈です。また、枝分かれした末端の細い部分を細静脈と言います。
【毛細血管】
動脈と静脈を結ぶ、体内に網目状に張り巡らされた最も細い血管です。細動脈は毛細血管を介して細静脈とつながっています。毛細血管の壁は単層の内皮細胞から成り、平滑筋はありません。壁の細胞の隙間を通して血管内の血液と組織の間で、栄養素、酸素、二酸化炭素、老廃物などの物質交換が行われます。
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