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執筆者:山本ともよ(管理栄養士)
監修:坂本忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ)
朝食は1日のはじまりの食事として重要な時間です。しかし、時間がない、面倒だ、食べる習慣がない、などの理由で、朝食抜き生活をしている人もいます。そんな生活をするとどんな影響があるのでしょうか。
朝食と病気のリスク
国立がん研究センターなどの研究チームによる、朝食と健康障害の関係に着目した有名な研究があります。この調査では、朝食を抜くことが多い人は、毎日食べる人に比べて、脳出血のリスクが高まるという結果が出ました。
この研究は、男女約8万人(45~74歳)を約13年間追跡調査した結果、その間に、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)を発症した3772人と、虚血性心疾患(心筋梗塞、急性心臓死)を発症した870人について、朝食との関連を調べたというものです。朝食を「毎日食べる」を基準とした場合、「週に0~2回食べる」は脳出血を起こすリスクが1.36倍、脳卒中全体では1.18倍高かったという結果でした。
この理由として、「自律神経」や「ホルモン」「免疫力」などの正常なリズムが乱れることによる影響が考えられます。実は、これらをコントロールしているのが体内時計。脳を主に、肝臓、腸などさまざまな器官に存在し、1日のそれらの働きを調整しています。
また、朝食を食べるために顎を動かすことで、脳が覚醒する、とも言われています。
おおよそ25時間である体内時計と24時間である環境の時間とのズレをリセットするという大きな役割を担っているのが、「朝日」と「朝食」なのです。つまり、朝食を抜くことは、生体リズムを乱すことにつながるのです。
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